ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

個人情報

 最近、やたらと「個人情報で教えられません」という文言を言われるケースがたくさんある。皆さん、そんな経験はないだろうか。ある経験をしたので、それを書いてみたい。

 

農業委員の仕事

 農業委員を始めて4年になる。耕作放棄地となっている農地を放棄地から耕作地に変えるのも大きな農業委員の仕事である。放棄地の農地の所有者を調べ、その所有者にコンタクトして、作り手を紹介する仕事である。

 今回のケースは、元々、田んぼを作っていたが、農業の後継者がおらず、放棄地になった農地を復活させようと、その農地の所有者を調べ始まった時のことだ。

 

農地所有者

 土地所有者は、法務局に行けば分かる、と思うだろうが、その所有者が亡くなっていた場合は、登記をしていない限り所有者不明のままである。そして、それが一代目、二代目であれば、ご近所の顔見知りの人もいる。しかしそれが、三代目、四代目となると、なかなかの難物になるのである。こと土地の所有者の話だから、相続が絡んでくる。だからややこしくなるのだ。その土地が農地であれば、農業委員会が土地所有者、耕作者などを一括管理しているが、それも、所有者からの申し出などがない限り、所有者のだれが亡くなって、代替わりしたなどの情報は分からないままである。

 今回のケースは、この何十年と放棄されている農地の話である。農地の所有者名はすぐ分かったが、今では、その方も亡くなり、現在の相続者が分からない状態であり、その方々もどこに住んでいるか分からないままであった。

 

相続人の調査

 農地に係わらず、土地・建物に関しては、固定資産税がかかっているので、きちんと税を徴収している市役所では、登記がどうあれ、税の徴収はしているはずと、市の徴収部門を訪問し、納税者を聞いた。ここで、「個人情報」が効いてくる。こちらは、放棄地を耕作地に変えたいと思い、その農地の管理者に連絡を取り、耕作させてくれるように依頼するため、管理者(納税者)を聞きたいだけなのだ。ところが、「個人情報」の壁が、その調査を阻むのである。結果的に、納税者の連絡先が分からないまま、納税者から私に電話をもらえることになり、電話を待った。結果的に、その日のうちに納税者から連絡があり、当方より、意図を説明することが出来た。

 

意図の説明

 今回、間に入って頂いた役所の担当者が、上手に納税者に話してくれたことから、つながったようなもので、もし、下手につなぎようものなら、納税者から連絡すらもらえなかったかもしれない。耕作放棄地をなくすことは、国としての活動であり、国土の有効活用に役立てようとした意図が伝わらず、断念したかも知れなかった訳である。こういったことは、話し方一つで相手がどう反応を示すか左右される案件でもある。納税は、国民の当然の義務であり、納税者の連絡先を「個人情報」にする必要があるのだろうか。

 

個人情報

 今回、農地の例を出したが、色々なケースで、特に役所や学校などで「個人情報」という壁で、色々な業務に支障をきたしている。もちろん、そうした情報を悪用する人間もいるだろうし、純粋に世のため、人のために活用したいと願う人間もいるはずである。この辺で、「個人情報」についてどう扱うべきか考える時期に来ているのではないかと思う。「情報」の取り扱いを異常に拡大し、「個人情報」だと ”マル秘扱い” にすることは、世の活性化を阻害するものであり、そして、役所などが言うならまだしも、各個人が個人情報だからと言い出すようになってきては、「情報」に対する各個人の危機意識を欠如させるものになりはしないかと危惧する。「情報」の発信時は、各個人がしっかり考えて行動すべきものである。

             (次回に続く・・・)