ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

コミック誌、溢れる書店

 昔懐かしい響きの「書店」。今は、まず「・・・書店」という名前の本屋さんは見当たらない。極端に大きい本屋さんではあるようだが、私たちの街では、ワンダー・グーというビデオやCDなどや小間物を扱った大きな店の一角に本コーナーが1/4ほど占有している。

 学生時代、会社員になって間もなくの頃、今から半世紀以上も前の話である。電車に乗る時間に余裕が出ると立ち寄った本屋さん。参考書を探すのに立ち寄った本屋さん。新刊書が出たといっては、どんな本か確かめるために立ち寄った本屋さん。立ち読みをした本屋さん。

 その本屋さんに、しばらくぶりに行ってみた。もちろん、ネットで本を探し、安い古本はないかと探した後である。この店には、数年前、十年前などにも立ち寄ったことは何度もあったが、その時はあまり感じなかった。いわゆる文庫本、新刊書といった本の売り場が少なくなったと感じた。何が違うのだろうと見回すと、コミック誌が幅を利かせている。少女コミックという言葉は聞いたことがあるが、成人コミックという名前だったか、いわゆる若者向けコミックという言葉も今どきはあるようだ。そういった名前のコーナーが辺りを席巻しているのである。

 私には、コミック誌も漫画も区別がつかないが、かって、漫画は子供が見るものだった。字の読めない子供は、絵を見て状況を理解するからだ。今どきの若者は、絵を見なければ、状況を理解できないのだろうか。いや、そんなことはないだろう。テレビなどの討論会などを見ていると、私どもにはとても理解できないようなことも話しているのだから、そんなことはないはずだ。じゃーなぜだろう。

 話は違うが、テレビで好きな番組に「Youは、なにしに日本へ」という番組がある。Youとは外国人を指して言っている。つまり、空港などで、外国人に向かい、どういった目的で日本へ来たのか聞く番組である。映像的に面白いと思うと、個人的なロケを申し込んで、Youに付きまとうという趣向である。当然いろいろな人が来日する。老若男女、若い人から現役引退した人まで幅が広い。その中に、「コスプレ」や「アニメ」が目的で来日する若者が多いのに驚く。特に、日本のアニメは、外国でYouが小さいときに母国でよく見たテレビで放映していたんだそうで、そうしたアニメを作った日本に行ってみたい、と来日するYouが多いのである。一大産業化している感すら覚える。

 コミックとアニメは違うのかもしれないが、私から言えば、同族という感じが否めない。コミックを動画にすれば、アニメになる。かって、小説を映画化したように。つまり、外国人の若者も、文字より絵(画)、絵より動画ということだろう。私は、かって、少年ジャンプの中の一つが好きだった。1冊しか買わなくても、その中のそこだけを読めば、後は、見ないで捨てるなんてこともあったほどだった。今、「鬼滅の刃」がその状態なんだろう。

 でも、そうした漫画も見たが、小説・文庫本の類もよく読んだ。会社で何か疑問が出たり悩んだりしたときは、その類の書籍を探した。新刊書が出たといっては、立ち読みして興味を覚えると購入した。結構、立ち読み者がいたものである。店側では「立ち読み厳禁」などの看板すら出していた店もあったほどだ。

 でも、今、冒頭に書いたそうした本屋さんでは、若者が本コーナーにいるのを見かけない。時間帯が違えば、沢山来客するのか、よく分からない。ちなみに、コミック誌などの販売推移などを見てみると、確実に減少しているようだ。その中でも、小説や文庫本などは急激に下がっているが、コミック誌などはそれほどではないようである。従って、本屋さんとしては、売れるコミック誌のコーナーを多くしてるということだろう。

 それにしても、50年前は、ちょっとした隙間時間に、見る程度だったコミック誌が今やブームになるほどである。  そして、50年後には、どうなっているやら。

                (つづく・・・)