ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

世界おもしろ昔のはなし㊽

連続で受ける社外表彰

 下請け会社などを持つ部門にいた方ならご存知だと思うが、この手の表彰は順番で回ってくるという表彰の類もある。しかし、この時は、品質と製造・納期部門の2部門だったが、それ以降私の在籍した残り4年間、毎年、品質賞は受賞し続けた。そして、たまに製造・納期賞も頂き、毎年表彰される誇らしい思いをさせて貰ったのである。つまり、品質で優れていたという証拠である。 

 これは、取りも直さず、ユージンを始めとするエンジニア・作業員の弛まぬ、製造工程の見直し。改良など絶え間ない努力と、生産管理部門従業員のきめ細かい管理の賜物だった。正に、称賛に値するものだった。4年連続という会社は、1社か2社だったと思う。当時、親会社にもこの事実は報告したが、それ程反響はなかったが、私は、社員の努力に大いに感謝したものだった。

 

賞金の行方

 そして、この賞には、トロフィーばかりでなく、賞金も付いていた。確か、8万ペソ(約16万円)だったと思う。この賞金をブレーキホース部門の従業員で分けたいと言って来た。それには異議を唱えた。この賞は、会社全体で頂いた賞であり、電線製造部門の作業員も日頃からブレーキホース部門の仕事に協力をしてきた結果であり、全従業員に対する賞である。ただ、そうは言っても、ブレーキホース部門の努力は認める。そして、お金で分けるのはダメと伝えた。彼らは、ともかく現金が欲しいのである。何事につけても、現金で欲しがった。

 結局、半分の4万ペソは、全従業員にあげられる記念品を作り配布し、そして、残り4万ペソは、ブレーキホース部門の関係者に記念品を作り配布した。こういった事が4年間続いたのである。

 

古株総務マネージャーの事件

 話は前後するが、事業縮小、83人の解雇事件に同時並行して、マネージャー解雇事件が発生していた。正確な日付は忘れたが、二〇〇六年に発覚し、12月には決着した。事業撤退が10月末であるから、正に、同時並行であった。しかし、事件発生は、既に、前任の社長時代からのものであったが、私の時代の2年間も気付かずにいたのである。でもそれには、伺い知りえぬ事柄が色々あった。

  この総務マネージャーは女性で独身、既に40歳を超えていたろうと思う。彼女は、創立当時に雇った従業員で、私が赴任した2003年には、総務マネージャーとして活躍していた。彼女と同時期に雇ったマネージャーは4人いた。所が、この総務マネージャーが、詐欺まがいの事件を起こしたのである。

 

宵越しの金を持たないフィリピン人 

 フィリピン人一般に言えることだが、給与が安い事もあり、また、楽天的な性格である事も加わり、基本的に給与は、その月で全部使い切ってしまうのである。所謂、宵越しの金は持たないのがフィリピン人なのだ。従って、子供の入学金、病院の治療費などまとまったお金が必要な時などは、家族、親戚、友人等からお金を借りまくる事態になる。そうして、月給日ともなると、一斉に、これらの借金を払うものだから、給与がほとんど手元に残らず、また、借りることになる。

 

笑い話のような本当の話

 笑い話のような本当の話がある。後で書くが、団地内に「リマ会」という、団地内の会社社長で構成する月一回の連絡交流会があった。その中の報告で、うちの会社で、給与1ペソとか2ペソという従業員がいるのですよ、と言う。勿論給与額の話ではなく、手取り現金(銀行振り込み額)の話である。会社の給与の前借、食費の引き落としを始め、色々な引き落としがあり、こうなるのだそうで、それが、今月は2人いたの、3人いたのと雑談の中でするのである。その会社だけではなかった。別の会社でも同様の事があった。

          (つづく、・・・)