ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

氷山の一角

  こんなときに使うことばではないが、「氷山の一角」の話をしたい。当たり前だが、海に浮いている氷山は、そのごく一部の氷しか見えないが、海の中にはその何百倍の氷が隠れているという意味である。

 

オリンピック、マラソン

 今朝、オリンピックのマラソンを見ていて、6位入賞した大迫選手を見、インタビューを聞いて感じた感想である。彼が、箱根駅伝で活躍したころから注目していた。そして米国にわたり、プロになり、努力を積み重ね、オリンピック代表選手になった。いくつもの練習、試練を乗り越えての代表である。代表になってからも、いくつもの過酷な練習を自分に強いてきた。その中で2度の日本新記録も記録し、今回のオリンピックの挑戦となった。

 

日本選手の活躍

 25度前後の丁度良い気温であるが、どんどん気温は上がる中、朝7時に号砲はなった。スタートと同時に数十人のトップグループ二つに分かれた。先頭集団には、世界の層々たるメンバーに交じって、日本代表の大迫、服部の姿がグループ後方に見える。そして第二集団には、同じ日本代表の中村選手。各選手とも、沿道に設置された水や飲み物を手にする。それらを頭からかぶったり口に含んだり。そして大迫選手は、帽子を時々交換していた。その理由は、帽子の中に氷を偲ばせて被っていたようだった。

 

勝負を決めた30キロ過ぎ

 動いたのは30㎞過ぎ。2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストで世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が先頭集団から飛び出した。ぐんぐん他を引き離す。だれもついていけない強さだ。キプチョゲとその他先頭集団とに大きく分かれ、大迫は先頭集団で、全体で8番目となる。このままで推移するが、大迫の話を聞くと、最初からキプチョゲの強さは分かっていたので、相手にせず、他の選手に対象を絞っていたとのこと。そしてその先頭集団はキプチョゲに1分以上も離される。その中で、大迫はメダルに届く3位との秒差は15秒から18秒。ここで粘って何とかメダルにと考えたらしい。35キロ地点から、積極的に追い越しにかかる。8位だった順位を、7位、6位の選手を抜き、6位に浮上。しかし、未だメダルまでは18秒差。

 

冷静な判断

 何とか追い越そうと考えたが、自分の体力と相談し、無理と判断し、6位を粘って死守すると決めて、最後はゴールを決め入賞を果たした。実に冷静な判断と行動だった。こうした判断・行動は、代表が決まってからのケニアでの合宿などで培ったものかもしれない。

 

100%の頑張りが出来た!

 それにしても、1位のキプチョゲは強かった。42.195キロを走ってきても、それを微塵も感じさせない表情である。リオに続く2大会連続と言うが、彼の結果もまた、「氷山の一角」に違いない。また、大迫のインタビューで「100%の頑張りが出来た」と答えていた。素晴らしいことだと思う。今回のマラソンへの参加者は100数十人で、棄権した人が30人を超えるという。そうした中で、胸を張って言える100%の頑張りは、「氷山の一角」での陰での努力の結晶と言える。

 

氷山の一角

 どうしても、オリンピックと言うと、メダルがつきものであるが、オリンピックに出るための努力、そして、入賞する努力、メダルを取る努力、最後に金メダルに対する努力である。「氷山の一角」の陰には、オリンピックに出られないが、努力をしている沢山の人がいることを忘れてはなるまい。もちろんオリンピックだけの話ではない。

       (つづく、・・・)