ミドさんのブログ

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世界おもしろ昔のはなし(55)

 フィリピンでの結婚式・披露宴について書いてみよう。

 

招待状

 事務所スタッフの結婚式の場合、必ず招待状が日本人にも届いた。同じ事務所内で日本人と常の交流があるからだろう。日本でも同様である。しかし、殆ど交流のない事務員の場合も届いた。律儀なフィリピン人だからなのか、日本人の場合、お祝いをそれなりに、例えば、2千ペソ程度は包むからなのか、分からない。このお金は、フィリピン人にしては大きなお金である。名前も知らないと思われる、現地スタッフの場合でも招待状が届いていた。お金目当てとも言えなくはないが、恐らく、どちらでもなく、両方の思いだったのだろうと思う。

 

出席した結婚式 

 女子スタッフの結婚式に出席した。それまで、あの従業員には出席した、しないで不公平になることから、従業員の結婚式に出席した事はなかった。しかし、この時は、あと、1年未満で帰任と思っていたので、以降、結婚式があっても、せいぜい、1組だろうと高をくくって出席することにした。更に、結婚するスタッフは、資材・営業部門で非常に優秀で、協力的な従業員であり、しかも、マネージャー一歩手前のSVだった事も、出席の理由だった。

 

結婚式のシステム

 彼女の家の近くの町の会場で式、披露宴を挙げた。基本的に、日本の結婚式と同じシステムである。教会で、両親、親戚、友達、我々のような関係者出席のもと、結婚式を挙げるのである。面白いのは、日本で言う仲人に相当するシステムがある事である。但し、5、6人いる。これらは、将来に亘って、夫婦に何かあった場合は、相談に乗り、解決してくれる役目のようだ。

 

披露宴の出席者

 そして、近くの披露宴会場に移動。こういった会場は、日本のように仰々しくなく、普通のレストランを借り切ってするのである。結構高給取りのサラリーマンの結婚式がこうなので、一般フィリピン人の結婚式も、同じようなものだろうと思う。

 受付というものはない。極端な話、出席しても、出席しなくてもよい結婚披露宴なのである。出たいと思う人が出席し、用事があったり、出たくないと思う人は出ないのだ。ただ、出席する人は、お祝い金と贈り物を持って出掛けるのである。従って、お金が出せない人、更に言えば、一張羅を持っていない人は出席できない事になる。社員でも、同じ職場の、同じ係の従業員が2名しか出席していなかった。あとは、我々日本人3名だけが知っている出席者だった。

 

披露宴のお祝い品

 会場に着くと、入口(通常はレストランの入り口)に脇に、贈り物の陳列台が置かれている。ここに持ってきた贈り物を銘々、置いてゆくのだ。見ていると、誰も名前を書いていない。恐らく、中にお祝い文とかメッセージが入っているのだろう。陳列台に、どんどん贈り物が積み重なって行く。いかにもフィリピン人らしい方式である。勿論、贈り物を持って来ない人もいるようだった。要は、各自の経済力に合わせ、自由のようだ。ただ、一般的には、特に、日本人などの目立つ存在の時は、持って行かない訳にはゆかない。ちなみに、お祝い金は、様子を見て、本人に直接手渡すのである。

 

披露宴の食事

 そうして、中に入ると、ビュッフェスタイルの食事が用意してある。自分で食べ物を取り、飲み物を取り、屋外の中庭に設置されたテーブルにそれらを持参し席に着く。席も決まっていない。我々日本人だけは、システムが分からない事もあって、食事もボーイが、持って来てくれて、席にも案内して貰ったが、基本的には自由なのだ。

 

披露宴の流れ

 そうして、乾杯の音頭、祝辞、この辺は、日本と同じスタイルである。チョッと違うと思ったのは、出席者全員で、新郎新婦の前で、ゲームをやり、場を盛り上げるのである。そうこうしている内に、新婦のお父さんが帰ってしまった。理由は何だったかよく分からないが、出席しても、出席しなくてもと書いたが、両親と言えども同様らしい。周りで、咎める人もいなければ、雰囲気がおかしくなる事もなかった。どうもそんなことはしょっちゅうある事のようだった。また、日本のように、歌を歌うというようなことはなかったように思う。記憶違いかもしれない。お開きは、両家の挨拶である。これは、新婦の母親がやっていたように記憶している。

 

自由な結婚披露宴

 こうして見ると、本当に自由であり、義理で出席するというような結婚式、披露宴ではなく、本当にお祝いしたい人々の集まりという気がして、本当に気持ちの良い結婚式だと思った。本来こうあるべきだと思う。

 現在では日本でも、古風な仲人が居て、親戚・近所の方々、会社の仲間等をお呼びしての100人規模の結婚式は珍しくなり、本当に新郎新婦をよく知る人達が集う数十人の披露宴が多くなってきた。良い傾向のように思う。

      (つづく、・・・)