ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

服はいつから着るようになったか?

 パラリンピックが始まっている。いつか記事にしようと思いながら、面白い話があると、ついつい、そちらの方に流れてしまう。

 例によって、チャンネルを色々変えてみる。気になる番組があった。毎回、たまたまだが、いい番組に当たる。今回も、「いつから人類は服を着るようになったか?」といったような、”服”に関する番組だった。

 

服の起源

 服は、色々な遺跡の中で発見されることは殆どなく人骨はあっても衣服が残るということはまずないのだそうだ。そこで、どうやって起源を調べるか。なんと、「シラミ」だそうだ。シラミには、「アタマシラミ」「ケジラミ」「コロモジラミ」の3種類あるそうで、なかでも、コロモジラミは、普通の温度では生息不可能なんだそうである。人間の体の体温では高すぎて、皮膚にへばりついては生きていけない。エネルギー源は血液なんだそうで、だから、人間の血を吸ったら、すぐ、服に隠れるということをしないと生きていけないんだそうだ。つまり、「コロモジラミ」の起源が服の起源ということになるんだそうである。そこで、大事な「コロモジラミ」を捕まえて、DNAで何年前に発生したかを調べたら、「アタマジラミ」から分化したシラミだそうで、7万年前に分化したことが分かった。つまり、服の起源は7万年前となるということだそうだ。

 

トバ山(スマトラ)の噴火

 いまから7万-7万5000年前、インドネシアスマトラ島にあるトバ火山が大噴火を起こした。それが、気候の寒冷化を引き起こし、その後の人類の進化に大きな影響を与えたという学説があるのだそうだ。地質学・古人類学の分野では、この火山の噴火とその後の気候変動を指してトバ事変(Toba event)と呼ぶそうだ。初めて知った。

 大気中に巻き上げられた大量の火山灰が日光を遮断し、地球の気温は平均5℃も低下したという。この劇的な寒冷化はおよそ6000年間続いたとされる。トバ火山の噴火とその後の寒冷化した気候を生き抜くために、ヒトが衣服を着るようになったのではないかと推定している。

 

発見された針

 5万年前には、縫い針が発見され、寒冷化した気候を生き抜くために、それまでのなめし皮を縫い合わせる技法により、1枚皮を切るより、保温性を高める工夫をしていたことが分かるという。糸は動物の腱を使い、針は動物の骨や角を用いたらしい。

 また、アルプスで、織物で作った服を着ている人骨が発見されたのが、5000年前。これを「アイスマン」と呼んでいる。この頃には機織り技術が出来上がっていたという証拠でもある。

 

服の変遷

 以上の歴史だけが興味を覚えたことだったが、以降も、民族衣装、軍服などの話が続いた。黒煙火薬を使っていた時代には、煙の中で目立つようにと、派手な軍服が現れ、当時強かったイギリス軍、フランス軍の軍服には、赤色が使われたという。赤い服は、色の心理的な影響があるらしく、実際に、脳の血流量も赤色を見た時に増えるという。ルネッサンス以降、男らしく、女らしくという性別で服の傾向も一層、男女で変わってきている。スコットランドの民族衣装で、男性のスカート姿は有名ですよね。

 

服の廃棄

 服が大量に消費され、廃棄される時代になった。日本でも年間10億着廃棄されるという。そこで問題になるのが、動物などの毛皮や羽毛などを使った衣服である。つまり、保温性の高い服の消費が問題となっている。現在では、植物で保温性の高い防寒着が出来ないかと研究されているらしい。

 

 NHKBS放送だったが、「コロモジラミ」のDNAから服の起源を割り出すところには、さすが研究者というのは凄いもんだと感心した。

       (つづく、・・・)