ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

友人の悩み

 このブログを若い人が読んでくれているかどうかは分からないが、年寄には、こういう人もいるんだという例を紹介したい。必ずしも、こういうタイプばかりでないことだけは確かなので、自分の「歳の取り方」を考えておいた方が良いと思う。

 

昔の友人

 数日前の夜遅く、その友人からラインが入った。しかも、「ビデオ通話」である。友人と言っても、大分先輩であり、かって、私が東京で会社勤めをしていたころ、職場の下請け工事をしていた会社の社長さんだった方である。もうそれから数十年が経ち、その間、私は、地元に戻り、海外にも行ったりしたが、なぜか、昔から波長が合い、元請け/下請けとは関係ないお付き合いを、ずっと続けさせてもらっている。フィリピンで定年を迎え、退職した時に、彼の会社へ来てくれぬかと、お誘いを受けたが、やることがあるからとお断りをさせてもらった経緯がある。東京と茨城に離れてしまったが、現役時代には、女房共々、相手の家を訪問したこともあり、奥様とも旧知の関係になっている方である。

 

ライン開通

 私がラインを始めたきっかけは、外国人に日本語を教えている関係で、その仲間たちや外国人と連絡をするため、グループを作り交信始めたことから、私もやってみたいと、必要に迫られて始めたものだ。ところが、彼の場合は奥様から、「今どきラインも出来ないようでは、孫とも話なんてできませんよ」と言われ、つながるかどうかやってみたらしい。私のブログを紹介して、見てくれと言っても、「見るよ」と言いながら、面倒がってみない人である。聞けば、今月で80歳を超えると言うことだった。そんな高齢者に、ラインをやれと言う方が無理かもしれない。

 

友人の悩み

 お互い顔を眺めたのは、20年ぶりくらいかと思う。太ったの痩せたの、誰に似てきたのと一通りの挨拶から始めた。聞けば、どうやって奥様に恩返しをしたらいいかを悩んでいると言う。つまり、今まで、散々世話になった。そのお返しをどうしたら良いかということらしい。大したものである。一般的に言えば、それだけ奥様を愛している、今でも。ということにはなる。

 ちなみに、会社社長を代々やっている人なので、お金はたっぷりある。従って、会社のことはやっても、自分の食事、洗濯など、家のことは、全て奥様任せで暮らしてきた人だ。今は、息子に会社を任せ、毎日奥様、孫と暮らす悠々自適の暮らしぶりである。その彼が悩んでいるのだそうだ。

 

私たち夫婦の場合

 一方、しがない会社員生活を終え、退職後、いろいろと生活面では考えることが一杯あった。それまで、毎日会社のことしか考えていなかったが、その会社がもう考える必要がなくなった。それと同時に、妻も、会社へ行く夫の生活面の面倒を見ることが必要なくなった。会社を退職する直前の5年半、亭主は海外へ行き、日本で面倒見る必要がなくなった妻は、自分がやりたいことを始めた。亭主のことは全く考えなくてもよくなった。海外から戻ると同時に退職した夫。もう面倒見る必要はない、と思ったのだろう。今までは、会社へ行き生計を助けてくれたから、面倒を見ていた。でも、今は違う。私は私の生活をしたい。5年半続けてきた、この自分の生活を守りたい、と思ったのだろう。

 

お互いに好きなことをする夫婦

 言い方はいろいろあるが、夫のために、食事を作ること、洗濯をすることの二つを止めたのである。食事は、低血圧を理由に朝早く起きてくることが無くなったことから結果的にそうなった。洗濯は、突然、夫の洗濯物をしなくなった。以降、世の中のこの歳の男女で見れば不思議な関係・生活が続いている。

 

妻の生活

 1,2年前までは、妻は、「お琴」を習い、スポーツジムへ行って汗を流し、風呂に入ってくるという生活になった。ともかく、家では、自分ものの洗濯は山のようにやる。毎日である。それ以外の仕事は、殆ど、気が向いたとき以外やらない。

 しかし、2年前くらいに足の手術をした。それ以来、様相が変わってきている。でも、負けん気が強い妻は、何にも言わない。足が痛い、歩けないと言いながらも、毎日同じように生活している。

 

夫の生活 

 一方、私は、毎日の食事の用意、何日おきかの洗濯は、自分のことなので自分でする。それに関する買い物も自分でする。食材・下着などは当然である。

 そして、会社を辞めた当初は、野菜栽培をやったし、ゴルフもやった。しかし、今では、外国人に日本語を教えるボランテアと農業委員をしているだけである。ただ、会社を辞めて12年ほどになるが、そのうち10年は地元の役員をやっていた。

 

老後、寂しい思いをするのは、どっちだ!

 こういう私たちのような家庭は特殊と思うが、冒頭の友人のような「妻を思った悩み」は存在しない。男は一人で生活することに慣れているが、女性はそうでもない。最近、夜、妻が寂しそうにテレビを視ている姿に、夫婦ってこれでいいのかと考えさせられる。もっとも、共稼ぎ夫婦は、こんな生活、当たり前か。古い考え捨てろと言うことかもしれない。 

 夫のために何かをして、「面倒見てやっている」という思い、それが楽しいのが妻(女)ではないのかと。一方で、言葉には出さぬが、感謝しつつ過ごす夫(男)、それが本来の老後の家庭ではないのかと、つくづく考えさせられる。

 若い皆さん! どちらを選択しますか? すぐ、そうした時期が来ますよ。

     (つづく、・・・)