ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

おかしな固定資産税(税制)

  9月も終わりに近づき、稲刈り真っ盛りである。

田んぼは、比較的若い時の仕事、畑はどちらかと言えば年老いてから始めるケースが多いようだ。もちろん、大々的に野菜作りをす若者もたくさんいる。農業委員のような仕事をしていると、いわゆる農地の動向(耕作放棄地)が気になるものだ。

 

耕作放棄

 時々、自分の担当の地域を見て回る。耕作放棄地を見て回るのである。最初に放棄地になるのは、畑である。しかし、一般的に畑の規模は田んぼに比べて小さいことから、どうしても、田んぼの動向を気にするようになる。2,3年耕作していない田んぼを見つけては、所有者・耕作者を調べ、意向を調査し、大規模耕作者と耕作可否の検討相談をする。うまく、交渉が成り立てば、翌年から耕作を再開することになる。そうした田んぼは、いくつもある。

 

日本の風景、海外の風景

 今日の話は、そういう農地ばかりではない話である。

 日本の風景と言えば、観光地などを除けば、田畑の風景を映し出すことが多い。一方で海外の風景と言えば、牛・ヒツジなどを放牧しているような草原を映し出す。日本民族は農耕民族、ヨーロッパなどの民族は狩猟民族という違いから来たものかもしれない。

 私の勝手な思い込みかもしれないが、日本では、山奥の一軒家や部落を見ると、周りは鬱蒼とした雑木林や山林が広がる一方で、海外のそうした場所を映し出しても、やはり草原が多いのである。日本のこうした部落は、小さな田んぼや小さな畑を耕し、自分の食い扶持だけを耕作する。一方、海外のこうした農家は、牛・ヒツジを放牧し、チーズやバターを生産する、従って、広い放牧地のような土地が必要なのだ。

 

雑種地を家庭菜園に

 この、どうしてヨーロッパなどは、綺麗な土地が一杯なんだろう、と長い間思い続けてきた。

 そして、先日、市役所の税務課に行った。わずか200坪弱の雑種地の話でだ。私が退職してすぐ、野菜作りをしてみようと、それまで雑木林の状態になっていた土地を開墾し、野菜を育て始めた。そして、農機具、資材などを入れておく小屋も建築した。そうしたら、数年経って、固定資産税が変り高額になった。理由は分からないが、土地の査定額が変ったのだろうくらいに考えて、趣味の費用と考えれば、ゴルフなどするよりズット安いと、払い続けてきた。そして、他の仕事が忙しくなり、野菜作りができなくなり、5,6年前から止めた。そうして、かっての畑も雑草が生えだした。それでも、みっともないので、時々、刈り払い機で草刈りをしていた。その土地の固定資産税の話で市役所へ行ったのである。

 

雑種地への課税

 税務課で上述したような経緯を話した。どうして、固定資産税が下がらないのか尋ねてみた。面白いというか、摩訶不思議という返答があったので、ここで紹介したい。

 畑作り始める前の状態の地目は「山林」だったそうだ。そして、野菜作りを始めたら、「雑種地」に地目が変更になった。そして、野菜作りが終わっても、「雑種地」のままなのだそうだ。

 どうして山林にならないのか聞いてみた。すると、元々、「山林」という評価はおかしかったのだと言う。つまり、「雑種地」であるべき土地だったと言う。そして「雑種地」には、程度の種類があって、それによって評価額が変ると言うのである。

 

雑種地の評価額

 ここからが、更に面白い。元々「山林」だった。その状態にしておけば、評価額が安くなり、固定資産税は下がるのだそうで、草ボウボウが嫌で、草刈機で適宜刈り払い、草原の状態にしておくと、地目が「宅地」同然ということで、評価額が高くなり、税も上がると言うのだ。再確認してみた。「土地をきれいに刈っておくと、税は高くなり、草ボウボウで放っておくと、税は安くなるんですね」と。「そうです」と言う。

 もう一度、捨て台詞を言った。「それじゃー、日本の国土は、草だらけで、汚くなり、ヨーロッパのような広い草原なんてありえませんよね」と。

 

摩訶不思議な固定資産税

 そこで、4,5年、我慢して、草ボウボウにしてみることにした。今までせっかく開墾して、雑木も伐採し、野菜を育ててきた土地だが、汚くすることにして、汚くなったら、市役所税務課へ行き、本当に安くなるか、試してみることにしたのである。

 きれいな国土にしようと思ったら、みんなが自分の土地の雑木を切り、毎年、数回草刈りをすれば、日本のあちこちに草原が広がるはずである。雑木林なんていう土地は少なくなり、子供たちも遊べる土地になる。

 海外の税制はどうなっているか知らぬが、4,5年後が楽しみである。市役所税務課のこれからの若者に、「こんな税制おかしいと思いませんか? 日本の国土が汚くなるって、思いません?」と尋ねた。すると、「・・・」。

       (つづく、・・・)