ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

世界おもしろ昔のはなし(80)

 今回は、フィリピンでの一般的な買い物の様子を書いてみよう。

 

デパート・モール

 マニラ市内にデパートが2軒あり、更に、商店街と言われるアーケード街のような何処までも続く小さな専門店が軒を並べた場所(モール)が、マニラ市内にはあちこちにあった。4年半住んだアラバンにも、私が住んだコンドミから歩いて2、3分の所にこうしたモールがあり、何を買うにも不自由はしなかった。日本だったらこんなものあるのになーと思われる手に入らないものも他のもので代用出来た。

 

携帯電話文化

 日本でいうヤマダ電機のような電気製品販売店が、至るところにあった。モールの中にも、・・・専門店のように携帯電話だけ扱ったお店とか、更には、携帯でも中古品や模倣品などだけを扱った店などまであった。

 (ここから先の携帯の話は、今から15年も前の、日本で携帯が普及していない時の話である。フィリピンに赴任したら、すでに携帯が普及していて、日本より進んでいる、と思ったものである。日本では、やっと、Cメールが出始めて、ラインなどは普及していなかった頃の話である)

 

携帯電話は財産

 話はそれるが、携帯は、フィリピン人には命より大切とでも言っても良さそうな神器である。日本で言っている携帯メールは、“テキスト”と呼ばれ、フィリピン人は、所構わずどこでも打ちまくるのである。お金があったら、まず、何を差し置いても携帯を買う。しかも、お金がない人が1万ペソもする携帯を買うのだ。ちなみに給与は、8千ペソも貰ったら比較的高級取りの部類の人達がである。フィリピン人にとって携帯は、財産であり、日本の土地・家屋に等しいのだ。入院などでまとまった現金が急に必要になった時などは、友達にこの携帯を安く買ってもらうのである。1万ペソの携帯が5千ペソで売れたりするのだ。それで急場を凌ぎ、退院したらまた新しい携帯を買ったりするのだ。だから、中古携帯を扱う店は沢山ある。ちなみに私も中古品の携帯を個人用として購入した。

 

モールとファーストフード店

 さて、話を戻そう。モールの中には、こうした電気店、工具や家財道具などを扱うカインズホームのような店、輸入家具などを扱う高級家具店、本屋、ファーストフード店、レストラン、ペット店、床屋、などなどがあった。今、日本では当たり前になっている、千円床屋は、15年も前のフィリピンにあった。もちろん、100ペソ(200円)位の値段だった。つまり、刈り上げだけしてくれる店だ。日本へ帰ってきて、しばらくすると千円床屋がお目見えし出した。

 こうしたモールなどは比較的裕福な階層の人が買う場所であるが、一般的な階層の人も冷やかしや、涼みにモールを散歩しているのだ。冷房が効いて快適なのと、一般的な階層の人が利用できるキャンテーン(Canteen)という食堂があったりするのだ。私もこうしたキャンテーンで、何度も食べたことがあるが、ともかく1食200ペソ位出せば腹一杯食べられるのである。お惣菜が並んでいるようなタイプの店が何軒も連ねていた。例えば、ブタの角煮、焼き魚にライス、スープを自分で好きな味のものを選んで頼むのである。1品50ペソ程度であるが、ご飯だけは特に安い。家族やお友達数人で来て、何品か頼み、皆で箸というかフォークでつついて食べるのである。

 

スプーンとフォーク文化

 また話がそれるが、フィリピン人は、フォークとナイフではなく、フォークとスプーンを持って食べる。理由は簡単。ともかく、お米が大好きな国民である。お皿に山のようにご飯を盛り付ける。こんな痩せた人が、こんなに? と思われるほど、たくさんのご飯を盛り付けるのである。そして、それに煮汁をふりかけ、それだけで食べるなんてこともする。だから、日本人がチャーハンをスプーンで食べるような感覚で、スプーンを使うのである。

 

スプーンで人種差別

 フィリピン人の子供が、米国(カナダかもしれない)で学校に通い出した。昼ご飯に皆がフォークとナイフで食べるのを尻目に、フォークとスプーンで食べ出した。それを見た先生がナイフにしなさいと強要し、この子供もそれに従わなかったことから学校で大問題(人種差別ということで)になった、というニュースが流れたことがあった。それ程、フィリピン人には、このスタイルが定着している。会社のキャンテーンで従業員が、フォークとスプーンで器用に焼き魚などを食べる姿を今でも思い出す。

     (つづく、・・・)