ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

世界おもしろ昔のはなし(84)

 社用のフィリピン駐在で、料理に目覚めた60間近のおじさんの話である。

マンション住まいと言っても、ホテルの一室である。まともな厨房設備はない。もっとも、男一人で作る料理であるから、まともな設備も要らないが・・・。

 

卵料理

 ダシ巻き卵は、弁当のおかずにも晩のお酒のつまみにもなることから、しょっちゅう作った。わざわざ、卵焼き用の四角いフライパンを買ってきて作った。結構、味も見栄えもよく出来たと自画自賛している。

 そうこうしていると、ダシ巻き卵では飽き足らず、卵料理で茶碗蒸しは出来ないものかと考え、蒸す方法を考えた。蒸し器なんてものはないので、鍋を使い、底に、スプーン等を敷いて浮かす事にし、その上に茶碗やどんぶりを中に入れ、水を入れて蒸し器にし、茶碗蒸しや、プリンもどきまで作った。

目玉焼きや通常の卵焼きは、料理の複雑さが無いので面白くなく殆ど作らなかった。料理は、複雑であれば複雑である程、工夫し甲斐があり、興味が湧くのである。

 

鍋物料理、フィリピン料理

 鍋物は、簡便で美味しいので、すき焼きから始まりよせ鍋、キムチ鍋、カキ鍋、トン汁など色んなものを具材に使い作った。

 フィリピンの代表的な料理に、アドボやシネガンスープというのがある。これを日本人好みに改良して作ってみたりもした。こうした料理は、フィリピン人に聞いて、材料をスーパーで買い求め作るのである。フィリピンレストランで食べるシネガンスープの味が、なかなか作れなくて試行錯誤した。後で書く、招待したマネージャーのフィリピン人に食べさせても結構好評だった。

 

揚げ物料理

 天ぷら、フライなども日本食材店に行けば、出来たものが買えたが、敢えて、自分で材料から揃え作った。野菜や魚のフライ、鶏のから揚げ、また、鳥の皮の中に餃子の具を入れてカラ揚げのように作る料理は、日本食レストランで食べたものだったが、これにも挑戦した。結構上手に作れるものである。最近、これが、日本でも売っているのが分かり購入したら、非常においしく、昔のままだった。名前は、鳥・・・餃子?だった。

 

刺身と保存

 当然ながら刺身も作った。前にも書いたが、フィリピンには、北の国で取れる魚は存在しないし、町のフィッシュマーケットでは売っていない。でも、ここにある色々な魚で充分の美味しい刺身が出来た。

 朝4時半に起き、会社に出勤する前にマーケットに出掛け、新鮮な魚を買い戻って、捌いて、冷凍庫にしまう事を、朝6時半の出掛ける前にやってのけるのである。魚は、捌いたら、キッチンペーパーで魚を巻いて、ラップに巻き冷凍保存する方が,解凍した時に、血生臭い匂いが軽減できた。

日本から持って行った奈良漬の残りの粕を使い粕漬けも作ってみた。全てが新しい挑戦であり、料理の全てが楽しかった。作る楽しみが95%で残り5%が食べる楽しみ、食べてもらう楽しみだった。極端な言い方をすれば、食べなくても良かったが、もったいないので食べたといった方が適当かも知れない。

 

なかなか手に入らないトロ

 刺身に話を戻そう。前にも書いたが、マグロは、赤身の部分をまな板の上に一筋(一匹の1/4)載せて売っていた。長さが1mもあるような一筋だ。これを、幅をこれ位と親指と中指で示し、10cm位の幅を売ってもらうのである。10cmの幅で買えば、これで20人分(20回分)位の刺身が取れる大きさである。トロ部分は中々手に入らなかった。料理屋さんが買い占めてしまうのである。

     (つづく、・・・)