ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの魅力(8.メンテナンスフリー)

日本の空き地

 6号国道沿いに公園らしきものがある。そういった目で見てみると、各地に点在している。「公園らしき」という表現なのは、公園のように広大な敷地ではなく、道路を作った時に、少し余り、道路わきに10坪、20坪といった土地のことだ。こうした土地の管理は、道路管理者なのか市町村なのかよく分からないが、道路建設当初は、公園らしく植栽をしたり、公園内道路らしく作ったりして整備してあったが、日にちが経ってくるとそのままに放置され、年一回位、その時だけ申し訳なさそうに、草刈などして整備される。つまり300日以上放棄地状態で、草ボウボウの状態である。

 でも、さすがに、日本の場合は、有名な場所へ行けば、四六時中整備が行き届き、いつ行っても周りは綺麗に整備されているところが多い。

 

フィリピンの名所旧跡

 しかし、フィリピンは違う。フィリピンで唯一といってもいい位、”拙いよなー”と思わせるところでもある。フィリピンは、マニラでも、郊外でも、スペイン統治時代の遺跡といわれるものが、そこかしこに存在する。

 マニラ市内で有名な・・・教会へ行った時のことだ。ガイドブックに載っているような教会なので、中はどんなになっているのだろうと、期待を膨らませ、訪問してみた。日本のように、こういった場所は、入口の表示があり、説明文がしっかり書かれており、そして、内部に入れば、通路の表示があり、といったところだが、ここには何もない。しかも、中に入れば、ガラスは割れ、床も傷だらけ埃だらけの有様だった。もう、何年も放って置いたとしか思えない代物だった。

 そして、郊外の美術館と言われている建物に行った時のこと。絵画が十数点の美術館ではあったが、絵の表面には白い埃がこびりつき、絵自体が全体的に白く見えるような状態だった。そういう目で見てみると、マニラ市内の公園と言われるような公共施設全てが、長く放置されたままなのである。フィリピンであるので、作った当初は、それはそれは華美なセレモニーなどやったことが容易に想像はつくが、全てが万事この調子なのである。

 

予算の出どころ

 これは、貧困がなせる業であり、そんな公共設備を整備するくらいのお金がある位なら、貧困家庭を何とかしろ、という訳である。でも、貧困ばかりではない。何度も書いているが、フィリピンは1%の金持ちと99%の貧困者で成り立っている国であり、そして心ある金持ちが貧困者に施すという文化である。しからば、金持ちがこうした公共施設は何とかできないものかと思ってしまうが、そこがフィリピン人たる所以なのだろう。きっと、お金がないのではなく、無頓着なのだろう。

 お金持ちと言っているフィリピン人は、日本人のいうお金持ちとは桁が違う。従って、その気にさえなれば容易なことだ。

 

メンテナンスフリー

 冒頭にあげた日本の例も含め、私は、これを称して「メンテナンスフリー」と言っている。つまり、メンテナンスしない、ということ。メンテナンスというのは、日本でもそうだが、最後の最後に追いやられてしまう。そして、余りモノのように、予算があればやるが、なければやらないということなのだ。しからば、そういったものを最初から作らなければよいようであるが、そうもいかないようだ。

 我が家の植木も庭も全く一緒。メンテナンスフリー状態を何とか解消すべく、毎日2時間ずつ、時間を決めて整備するようにしているが、老体に鞭打つのも大変である。

          (つづく、・・・)