ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの魅力(21.みんながみんなを気にする社会)

 大分、新型コロナが下火になってきたと思ったら、オミクロン株の騒ぎである。世界各国に広がりつつあるものの、日本の水際対策が功を奏してか、今のところ感染拡大の兆候は示していない。これから年末にかけて寒さも厳しくなることもあり、第六波も含めて要注意である。

 

プレゼントの習慣

 年末が近づいて来ると、クリマスシーズンに間もなく入る。すると、クリスマスプレゼントである。今回は、誕生日プレゼントの話だ。

 これは、日本が世界の常識から外れていると言っていいと思われる習慣でもある。日本では誕生日を迎えると、その人に両親や友達などからプレゼントをあげる。これから誕生日を迎える人に、「今度の誕生日プレゼント、何が良い?」なんて聞いて、好きなものをプレゼントしてあげるというのが一般的な日本の風景である。

 

プレゼントは誰がする?

 ところが、フィリピンはアメリカ文化が入っているせいか、誕生日になる人が他の人にプレゼントするのである。色々な国に行ったが、誕生日の場面に遭遇したことがなかったせいか、また、そのようなお付き合いをしてこなかったせいか、恥ずかしながらフィリピンの習慣を知らなかった。「なんで、誕生日を迎える人が、みんなにプレゼントを贈るの?」と不思議な思いをしたものである。「無事、誕生日を迎えられて良かったね」とお祝いしてもらうか、「今までみんなのお陰でここまで来たよ。ありがとう」とお礼の意味を込めて贈り物をあげるかの違いだろう。

 

他人の誕生日が気になる

 聞いてみれば、「なるほど」と納得できるし、また、その逆の日本の習慣も捨てたもんじゃない。ましてや、自分の誕生日に何かもらえるという意識だから、自分の誕生日は当然知っていても、他人の誕生日にはとんと興味がないし、気にもならない。

 しかし、フィリピンは、他人の誕生日が気になるのである。何かをもらえるという期待が込められている。ましてや貧困、そして騒ぐのが大好きな陽気な国民性である。現地の会社内で、事務所内のみんなが他人の誕生日を知っているのには驚いたものである。個人情報も何もあったもんじゃない。総務の事務員が、事務所内のみんなに他人の誕生日を教えているのだ。かくして、私の誕生日が近づくと、「今度の誕生日には何をプレゼントするんだい?」とみんなが聞いてくる有様だった。

 

マックの誕生日プレゼント

 そういわれてみれば、何週間か前に、私にも、お昼時間に食べ物が机の上に置いてあったことがあった。その時、いい加減に理由を聞いていたので、そんな習慣でやっているとは考えてもみなかったのである。事務所内で誰かが誕生日になると、キャンテーンからお昼ご飯(例えば、焼きそばなど)を出前してもらい、みんなの机の上に昼食を置くのである。事務所に30人いれば、年に30回はご相伴にあずかるということでもある。

 自分の誕生日が来た。さて、何にしようかと悩んだ。キャンテーンから取り寄せたのでは、一般の従業員と同じになってしまう。みんなが期待して待っているのは分かっている。そこで、思いついたのが「マック」である。マクドナルドのパンにハンバーグを挟んだあれである。あれの出前をお昼時間に頼んで、みんなの机の上に置いたのである。このマックは、フィリピン人には大変人気がある。同時に、日本で買うような値段ではなく、物価の差もあり、安価で手に入るのである。

 

みんながみんなを気にする社会

 こんな風習もあり、みんなが他の人のことを気にかけてくれる。そして、みんなが仲良く暮らす社会がフィリピン社会である。そこには、今ほど裕福でなかった昭和30年代の日本の姿があった。あの頃、色々な行事が地域地域であった。地域のみんなが協力して色々なことをやった。その後には、みんなで集まり懇親会である。当然お酒が入ることだってある。

 ところが、今は、お葬式も家族葬。先日、寄付集めに近所を回ったら、「お父さんいますか?」「父は、亡くなりました」という息子の姿があった。「えっ!、いつ?」と思わず聞き返した。そんな世の中になった。