ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの魅力(43.ないない尽くしの家)

 しばらくぶりに、フィリピンの話題を書いてみる。

 

梅の木の行方

 その前に、もう一週間近く開花を待っている、梅の木の話題。左の写真は、もう、とっくに咲いて6分咲き位になっている小さな梅の木である。そして、右側が、なかなか咲かないブログで取り上げている梅の木である。

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左(既にしている梅の木)、 右(なかなか咲かない梅の木)

 今まで、何となく見ていたが、こんなに咲きそうで咲かなかったのかと、改めて気が付いた。何となく、人間社会にも似ているような気がしてきた。花を咲かせるというのは、種々の障害を乗り越え達成できるものなのだ。

 

フィリピンの建売住宅

 さてさて、フィリピンの建売住宅の話である。日本の建売と言えば、「・・・団地」と名がついて、まとめて売り出す建売もあれば、一戸だけ建売で売り出す家もある。私の今から書く建売は、前者の例である。日本と同じように、団地で売り出す建売住宅がある。今度家を買った、とフィリピン人が言うので、どんな家かと思い見学に出かけて行った。こういった団地は、周りがフェンスで囲まれていて、出入り口が1か所か2か所に限定されている。

 

しっかり者? のガードマン

 しかも、その入り口では、ガードマンが拳銃をぶら下げ、団地の出入りを監視している。監視するといってもいい加減なもので、住人と一緒に入る分には、フリーパス状態である。ガードマンがいるから安心ではない。例えば、強盗団が襲ってきたら、我先に逃げるのは、このガードマンたちであることを忘れてはならない。

 

塀、庭、車庫、間仕切り、何にもない

 家が近づいてきた。

 塀もない、庭もない、車庫もない、家の中に入って、部屋の間仕切りがない。「ないない尽くしの建売住宅」である。日本の場合もそういったケースはあると思うが、フィリピンの建売住宅は、半製品状態で売り出されるケースが多い。もっとも、日本人から見れば半製品だが、彼らは、それが建売住宅と思っているので何の支障もない。

 

「ないない尽くしの家」

 そういった「ないない尽くし」の家をどうするかといえば、土地付きで購入した家の建屋の外側だけできた家を、お金ができた時に徐々に手を加えて手作りしてゆくのである。最初は、住むのに必要なお勝手を作り、流しを入れ、シャワー室の仕切りを入れたり、温水が出るように給湯機を入れたりするのである。私が見た家は、二階建てだったが、一階は大きな部屋(8畳位)とトイレ・シャワー室の一部屋の間仕切りだけで、お勝手・食堂の間仕切りもなかった。その大きな部屋に二階に上がるラセン階段が露出してあった。玄関というものはなく、外から入るドアがあるだけ。従って、部屋の中で靴を履かれるのが嫌な家庭は、ドアの外(外部)に靴を脱いで上がることになる。ラセン階段を上がると広間と間仕切りが一つの小さな部屋(4畳位)があった。

 

手作りの家

 そして、最低限の家具・設備を入れると住み出す訳だが、住みだして数か月すると家の改造が始まる。お勝手・食堂が狭いために、建屋外部に屋根を付けた簡易部屋を作り、そこに出入りできるようにする。二階の大きな部屋に間仕切りを追加し、小部屋をもう一つ作るなんていう改造がなされる。更にお金ができると、塀の作成に取り掛かる。毎日少しずつ手造りで作って行くのである。そして外の地面にはタイルを敷き詰める。

 

百万円から購入できる一軒家?

 こうして購入してから一年程度で完成するのである。こうした家を持てる人は中流階級の人である。勿論、「中流」というのは、大金持ちを除いた一般家庭の中の、「中流」という意味である。こうした家(土地付き)は、百万円から二百万の間位で買えた筈である。10年以上も前の話なので少しは物価高になったかもしれない。フィリピン人の月給が、二万円程度が一般的だから、年収の5倍から10倍程度。従って、そういう意味では、日本とそう変わらない。

 

長期ローンは当たり前

 しかし、ここからが大きく違う所である。フィリピン人は、貯金という習慣がないため、まとまったお金がなく、頭金で半分払うなんてことは不可能に近い。従って、ローンを、10年、20年、多い人は30年というローンを組むのである。フィリピンは利息が高い。10年前で、8%ほどだったので、借りる場合は、恐らく10%以上はしたと思う。従って、10年で倍の金額を支払わなければならなくなるのである。

 

家を買った親戚に居候

 そうした家なので、中流階級とは言えどもなかなか手に入りにくい。そして、家族(大きな意味で親戚なども入る)が家を建てると、そこに、親兄弟は勿論、甥・姪・叔父さん・叔母さんまで同居させて貰い、大家族で生活を始めるのである。そしてそうした人たちが働いてお金ができると、家を建てて巣立ってゆく。

 こうした住宅に老若男女が生活する訳だから、部屋割が必要になってくる。夫婦特に若い夫婦は基本的に一部屋もらう。そして、女子どもは一部屋を占拠。かくして、男どもは、若くても歳とっていても、大部屋に雑魚寝となるのである。

    (つづく、・・・)