”茶摘み”ならぬ”田植え”時期
夏も近づく 八十八夜
野にも山にも 若葉が茂る
あれに見えるは 茶摘みじゃないか
茜たすきに すげの笠
懐かしい、「茶摘み」の歌詞である。今年は、五月二日が八十八夜に当たることは、このブログで先回触れた。私が住んでいる茨城県北部では、毎年5月連休前後が稲作の田植え時期。野にも山にも若葉が茂る時期が、正に、その時期に当たるのである。
大型機械での田植え
そうだ! 今日は、田植えについての写真を撮ろうと思い立ち、同じ農業委員をしている大農家の田植えを見させてもらった。近くで毎年やっていることだが、しみじみ見たことはなかった。
ビックリする田植えスピード
ビックリしたのは、その速さである。1反歩や2反歩は、1時間もかからずに田植えが終わるのである。この農家は、70丁歩という広大な田んぼを作っている。70町歩と言えば、700反歩である。東京ドームに換算すると、4.5杯分ということになる。そんなに時間をかけていては、田植え時期に終わらぬのだ。
上記の田植え時間は、数十分だった。見ている間の、あれよあれよという間である。
苗が無くなれば、補充する。
障害となる小さな田んぼ
写真の機械は8条植えで大型機械に類する。肥料も同時に撒く。田植えの時間は少なくても、田んぼから田んぼへの移動時間がかかる。田んぼの大型化を狙い畔を取ることもしているが、なかなか地権者の了解も取り付けられないケースもあるらしい。また、田んぼがあっちに5反歩、こっちに7反歩と地域内に分散しているのも、大きな障害になっている。
田植えはチームプレー
田植えの前には、代掻き(しろかき)作業というのがある。トラクターに代掻き機を取り付け、水を張った田んぼの中を均しながら、土を泥状にして田植えができるようにする作業だ。田植えの前には先行してこの作業をする。つまり、田植え作業は、連携作業なのだ。この日は、一方で「代掻き班」、そして他方で「田植え班」である。5人で分担して作業をしていた。更に後方支援としては「食事作り班」もある。
農業の今後の課題
こうした大型機械を使わないとペイしないという。限度は、30町歩位だそうだ。そして、大型機械を使うためには田んぼは大きくなければならない。従って、効率の悪い山間の田んぼや小さな田んぼは耕作放棄地になってゆく。
更に大きな問題は、若い人が少ない。従って、労働力が少ない。手伝って欲しくても、手伝ってくれる人がいないのである。今まで、5反歩、10反歩と自前で作っていた人も、老齢化で作れなくなる。今後の稲作の大きな問題である。