ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの話題(50.とうでん(盗電))

 このブログで紹介しているような海外の話題は、たくさんある。先日、小学生の子どもたちの前で、いくつか紹介した。半世紀も前であるがゆえに起こった出来事、今でも通用する考え方など、参考になる経験がそれなりにあるだろうと思うからだ。

 現代社会だって、初めて海外に行く人たちにとっては、ビックリすることも多いはずである。情報化が発達した今どきでも、国民性などはそうそう変わるものではない。

 この項、つまり、フィリピンの話題は、30回から20話程度、このブログで紹介している。そろそろ、終わりに近づいてきつつある。

 

盗電、居座り 得する社会

  さて、今回は、「盗電」の話である。ともかくフィリピン人は器用である。そして情報力が優れているので、色々な話が集まる社会である。「盗電」とは、電気を盗むという行為である。日本と同じように、電柱を建てそこに電線を張り、各家庭に電気を引き込む。通常、電力会社や電気工事会社の従業員がしてくれる仕事である。電気料金の高いフィリピンでは、電気代がもったいないとばかり、近くの電線から自分たちで引き込みをやってしまい、電気料金を払わないのである。

 

盗電の方法 取り締まれない

 やり方としては聞いた話でなく想像で話をすると、恐らく、電気工事業の従業員にプライベートでなにがしかのお金を支払い、引き込みをやってもらうのである。そして、引き込みをやった作業者は個人的にお金が入り、引き込みをしてもらった家庭は、タダで電気を使えるというウィンウィンの関係となり得るのだ。フィリピンの電力会社では、この盗電被害が、無視できない大きさになっているようであるが、そこはフィリピン。これを取り締まる従業員や警察までも貧困者の味方であるからなかなか取り締まれない実態となっている。

 

公共の場に居座る住民

 更に非常に理不尽な状況がある。これはフィリピンの法律では認められているのかどうか良く分からないが紹介する。ドライバーの話だったと思うが、公共の土地に家を建ててしまうのである。日本なら市・県・国の土地に自分の個人の家を建ててしまうのである。河川敷に個人の家を建ててしまうようなものである。家といっても土台をコンクリートで作ってといったものでなく、掘立小屋の類なので、数日でできあがる代物である。一軒が建つと、その隣に別の家が、そして更にまた一軒という具合に次々と家が並ぶ。「盗電」と同じ理屈で、取り締まる側が同類項であることから、なかなか取り締まれず、子どもが生まれてから成人するまでその家で過ごしたなんてことはよくあるようだ。

フィリピンの貧民窟(あちこちに存在する、ネットから引用)



違法占拠者に払う補償費

 そしてこの公共の土地を住宅地として開発するというような話になった場合、日本なら強制撤去になる筈であるが、フィリピンでは公共機関が補償費を払って撤去させることになるのだ。他人の土地に無断で家を建て、何十年後かには、補償費までもらえるというのである。非常に理不尽なことのように思えるが、会社で雇っていたドライバーの話であるから、あながち、眉唾的な話でもないだろうし、補償費も安いフィリピンでは起こり得る話だと思っている。