ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

知らないふりをするな!

若い警察官の死

 またまた、自殺死亡のニュースが流れた。2年前だそうだ。警察官の自殺である。遺書が残されていた。上司から「仕事が時間内に片付けられないのは、自己責任だ」と言われ、残業時間が、240時間くらい実際にやっていたにもかかわらず、20時間程度しか報告していなかったようだ。この警察官は、ふがいない自分も責めたろうが、そういった上司、警察組織の在り方、考え方も責めたろう。そして、遺書の最後に「改善を望みたい」で終わっているという。

 

高度成長期の残業時間

 企業戦士として、40年もの間、民間企業に勤めた。管理職になる前は、毎月の残業は200時間以上だったが、実際、残業として付けたのは120時間とかそんなものだった。それというのも、グループとして残業が多いと、自分たちもであるが、上司も、もっと上の上司から責められる。それを忖度しての残業の付け方でもあった。それというのも、上司は、我々が記録以上に残業が多いことを知っており、「みんな、悪いなー」という気持ちであることが分かっていたから、忖度の感情も生まれた。

 もちろん、民間企業と公務員では違いもあるだろう。

 

知床事故で見る官僚の悪弊

 話は変わるが、知床の事故では、沈没した遊覧船を引き上げ曳航していたが、途中で吊りベルトが切れ、海中に遊覧船を落としてしまったらしい。

 この遊覧船の会社、社長の今までの行為である。周りの誰もが、この社長の経営の仕方、遊覧船の運営の仕方の異常さに気づいていた。この会社の遊覧事業を承認した官庁は、規則を作り、事業の承認をしただけで、その後の状態は、知らなかった。多分、知らないふりをしていた。余計なことは、知らぬ存ぜぬを押し通す、官僚の悪弊でもある。

 

現場を知る、部下を知る重要さ

 もし、異常さに気づいて監査に入り、改善を求めていたら、この不幸な出来事は回避できた。冒頭の警察官の自殺だって同じである。上司は「自己責任だ」などと言わずに、なぜ、残業が多くなるのかを一緒に考える姿勢をとっていれば、回避できたことである。

 仕事のやり方は、人によってマチマチである。要領よく仕事ができる人、要領の悪い人、色々いる。仕事の仕方をきちんと指導していれば、回避できた。

 

致命的な上司と部下の年代差

 昔なら、「そんなこと自分で考えろ」で済んだ。上司は、正にその年代。しかし部下は、20歳も30歳も年齢が違っている。その年代差の間には、異常なほどの機械化(ちょっと古い表現だが)が進み、コンピューター、ネットを活用する時代になった。そこには、精神論だけでは済ませられない問題が横たわっている。

 

求められるコミュニケーション力

 そして、今どきの若者は、人との交流が下手だ。核家族で育てられ、親と友達だけで育ってきた。遠い親戚や他人との接触が希薄になっている。「仕事が片付けられないのは自己責任」と言われ、その通りに従う。なぜ、上司に逆らい、キチンとやっただけの残業を付けることが出来なかったのか。上司との人間関係も大いにありである。

 上司は、そういう若者を部下にしていることを肝に銘じるべきである。

自分の思いが通じないパターン(小学校のゲストテーチャー講義で使用、ネットから借用)

 

管理者は、地位に胡坐をかくな!

 「カズⅠ」の事故でも同じことが言えるが、もっともっと現場の事情をよく知り、対策をより早くすることが、全てに求められている。そんなことを思った事件だった。

 また、上島竜平さんの自殺後と同じ「悩みは・・・へ連絡しましょう」のテロップが流れる。「人の気持ち(現場の状態)が、分かるよう努力しましょう」のテロップが流れることを期待したい。