ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

そろそろ目覚めてはどうか?

家庭菜園

  今日は、農業について書いてみたいと思う。私自身は農業をやっていない。会社勤めを終わって、家庭菜園をやってみたいと思い、6,7年ほど、野菜作りをしたのが唯一の経験である。しかし、この間、あらゆる種類の野菜を試してみた。お陰で野菜についてはそれなりの話ができる。ただ、野菜作りは手がかかることが良く分かった。

 

エネルギー安保、食糧安保

 そして、偶然始めた、農業委員という仕事で、田んぼ、稲作事情を知った。今、稲作事情は曲がり角に来ているという思いが強い。

 昨日、エネルギー安保(安全保障)、食料安保の話をマスコミで論じていた。ロシアのウクライナ侵攻で目覚めた防衛議論。GDP2%議論が復活し出した。日本の防衛費は、1.24%という数値も出ているようで、米国は2%以上を要求しているし、ウクライナ侵攻でヨーロッパ各国の防衛費が2%を超えている国も多いことが明らかになった。昼寝をしていた日本国民も、ここにきてやっと目覚めたようで、政府の2%理論にも、かって程、異論を言う人も少なくなったようだ。

 

感じない、食糧事情

 そして、食料安保、エネルギー安保の話だ。日本の食料自給率は31%という数値が昨日テレビで流された。ネットで調べると、カロリーベースで35%という数値で、これら数値には7、色々あるらしい。しかし、30%台であることは変わりはない。しかし、国民はそれほど食糧事情がひっ迫しているとは感じていない。お金さえあれば美味しいものが食べられ、買えるからだ。

 

いつ来るか分からない、自由貿易崩壊

 これらは、全て、自由貿易が前提になっている。ウクライナのように、戦時下になれば貿易どころの話ではない。その時には、2/3の国民はひもじい思いをしなければならないのだ。日本人の主食であるコメの備蓄を調べると、中国の186日分に対して、日本は何と2日分しかないのだそうだ。

 

日本人は、のんびりし過ぎていないか?

 そして、何よりも、従来、日本は工業国で、世界の1,2位を争うような国だった。しかし、今ではそのような状況にない。つまり、日本が世界にとって必要な国ではなくなってきているのである。今、中国との間で話題になっている台湾は、半導体製造シェアで、世界の92%だそうである。これは国策として、世界から求められる国になろうということでの結果だそうだ。この業界へも、若者が米国留学をどんどんし、母国へ帰って、半導体事業に投入されているようであり、一方、日本はと言えば、留学生がどんどん減っているらしい。

 

減る耕地面積、増える耕作放棄

 


 そろそろ、農業の話に戻ると、農業委員として農地の実情を見、農業従事者の声を聴くと、

   ①農業就労をやめる人が多い ②農地が減少する

これらが、耕作地の減少、放棄地の増加に拍車をかけているようである。農業従事者は、一昔前の、「自分で食べる分位は作らないと」、「先祖からの農地は守らないと」といった、昔の農業従事者の声から、そうした従事者が年老いて、農業が出来なくなったことが大きい。更に、昔は、山間でも狭い農地でも鍬を持って行けば農業が出来た。ところが、今は、機械でする農業である。まずは、こうした大型機械が入れない。大型機械が入ると、機械の重量で埋まってしまうということで、人力ではできても、機械ではできないという農地がどんどん休耕地になっていくという現実がある。

左:奥の草が生えているのは放棄地 右:田んぼ(耕作地)の間に広がる耕作放棄

 

そろそろ目覚めてはどうか?
 そして、バブル期に将来の高騰を狙い、農地を買った人たちが、農地のやり場に困り、どんどん他の目的に使いだしたことも拍車がかかる原因となっている。

 国民全体が、食糧安保に目覚め、エネルギー安保に目覚め、過去の栄光を捨て、日本人としてどう生き残るかを真剣に考える時期に来ている。ウクライナ国民は可哀そうだ。でも、防衛費については目覚めた。いつまでも自由貿易ができると思ってはいけないのではないか。