ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

年寄りの社会貢献

嚥下食(えんげしょく)

 シルバーリハビリ体操で誤嚥防止運動と称する運動があるが、”嚥下食”という言葉や調理の仕方があることを、恥ずかしながら初めて知った。病人や年寄りが食べるおかゆなどの柔らかい食事は昔からあるものの、”嚥下食”として、確立した調理法があるとは初耳だった。

はんぺんを混ぜた焼き魚  ブレンダかけたハンバーグ  具材を細かくし、練った寿司 

 喉頭がんなどで、固いモノが喉を通らなくなった。歳を取って食べられなくなったという人たちに、食べて貰う料理を作る人が、紹介されたテレビ番組があった。

 

食べられない人が、うまい!

 喉頭がんで固いモノを食べられなくなった76歳の男性。自分の好きなイカの料理が食べたいという。その人に、イカの寿司を作り、天ぷらを作り、食べさせるのである。いずれも嚥下食である。イカの風味やイカの固形感を残し、調理するのだ。それを食べ、「うまい!うまい!」とご主人が食べる姿を見て、涙ぐむ奥さん。こんな所にも、人助けがあったかと、感心した。

 美食家に「美味しい!」と言ってもらえる料理を作るばかりが、料理人ではないのだ。食べるものに困り、好きなモノが食べられない人に「うまい!」と言ってもらえる料理を作るのも料理人である。

 

少子化問題 

 一方別の番組では、少子化問題を論じていた。今、政府は少子化対策をしなければと対策本部を作り、担当大臣も設け、対応しようとしている。1970年付近が日本の最大人口数で、以降、減少傾向を示し、数十年後には人口が半分になるという。やがて、日本人が地球上にいなくなる日が来るかもしれないのだ。

 

女性の社会進出と少子化

 我々の子ども時代は、専業主婦が当たり前の社会だった。そしてその我々が大人時代に入ると、女性が働くようになり、共稼ぎ夫婦が多くなり、親と同居する家庭も稀少になった。そして、働きながらの子育ては大変である。結果、子どもが少なくなると言うことになった。そして、教育にもお金がかかることも、それに拍車をかけた。経済的に多くの子どもを育てられないのである。

 昔は、それでも親との同居家族があった。若い男女が結婚し、どちらかの親と同居し、やがて子どもが生まれる。すると、子どもは祖母・祖父が面倒を見るという家族構成である。

 

働き手不足

 そして、人口減少で問題になるのが働き手不足問題。今の70代は、団塊の世代であり、人口が一番多い世代でもある。周りを見回しても、何の生産活動もせず、年金を使い、趣味など自分の好きなことだけをしている人たちが多過ぎる。挙げ句の果てに「年金額が少なくて、生活が苦しい」などと嘯く有様。

 冒頭の ”嚥下食” ではないが、そうした食事を作ることでも、何人かの介護職の人を少なく出来、働き手不足に貢献出来るのである。

 

年寄りの社会貢献

 ボランテアでも何でも良い。定年でリタイヤした人たちが、自分が出来る範囲で、出来ることを社会貢献したら良い。そういう社会作りを目指せば、少しは人口減少に歯止めがかかるのではないか。

 我々の世代は、人口減少の結果は見られない。しかし、今の現役世代は、孫たちと一緒にその結果を見ることになる世代である。人口減少が、今の現役世代の老後問題を引き起こすに違いないと思っている。そのためにも、今の年寄りが、出来ることを出来る範囲で社会貢献することを勧めたい。