寒の戻り
それにしても、昨日は寒かった。「寒(かん)の戻り」と言うらしい。わざわざ、「かん」というふりがなを付けたのには訳があり、「寒(かん)」の意味は、12節気の「小寒」「大寒」の寒の意味で「寒い」という意味の「寒」ではないらしい。
小寒、大寒、立春と続くが、立春以降に春めいてきて、ポカポカし出したときに、急に寒くなったりする気候のことを「小寒や大寒」が戻ってきたという意味で、「寒の戻り」と言うらしい。
通りゃんせ
家で、ストーブ付けて「寒い、寒い」と言っていても仕方ないので、近くにある温泉、「通りゃんせ」に行くことにした。「通りゃんせ」という言葉は、私たち北茨城市生まれの人間にとっては、童謡作家、野口雨情の作詞だと言われてきたので、「わが市の歌」のように思って育った。当然、だから、温泉にも「通りゃんせ」という名前を付けた、と思っていた。
歌詞の発祥地
そして、この作詞者にも色々な説があるようである。ところが、「通りゃんせ」の歌詞の舞台はどこか、となると、ネットを調べると、二つあるらしいことが分かる。一番有力なのが、川越市にある「三芳野(みよしの)神社」。次いで、小田原市国府津の「菅原神社」である。日本にはこの二つが発祥の地として名乗りを上げている。
「とおりゃんせ」の歌詞
歌詞は、こうだ。
通りゃんせ 通りゃんせ ここはどこの 細通じゃ
天神さまの 細道じゃ ちょっと通して 下しゃんせ
御用のないもの 通しゃせぬ この子の七つの お祝いに
お札を納めに まいります 行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも 通りゃんせ 通りゃんせ
発祥の地はどこだ?
「天神様」と「こわい」という意味である。「天神様」は、いわゆる、学問の神様と言われる「菅原道真」を祀った神社を一般的に言う。そこで、祀られている「三芳野神社」登場となる。
国府津の菅原神社も、発祥の地と言われる経緯がいろいろ書かれているが、唯一「こわい」の解釈について、触れられてはいるが、どちらにも触れられていない部分を発見した。
「こわい」から、野口雨情作詞では?
「怖い」と書けば、「恐ろしい」という意味になるが、県北の地では、「こわい」と言えば、「疲れた」という意味になる。ネットでも、ここまでは書かれているが、作詞者に触れられていない。野口雨情は、北茨城市磯原町に生まれたということである。つまり、「こわい」という言葉は、子ども頃から日常的に「疲れた」という意味で使っていたはずである。
従って、通りゃんせの歌詞に戻ると、
「行きはよいよい 帰りはこわい」
=「行くときは楽でいいですが、帰りは疲れますよ」
という意味ではないか、と思うのである。
そう思えば、ますます、「通りゃんせ」の作詞者は、「野口雨情に間違いない!」と思うのである。
まだまだ、遠い桜の開花
道端に植えられている桜の蕾。