ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

複雑に絡み合う、キンク現象

かっての同僚、中近東でケーブル工事

 なぜか分からぬが、昨日、海底ケーブル工事を思い出した。「そう言えば、昔の同僚が中近東で海底ケーブル工事をしているって言っていたなぁ」と、気にかかった。早速、ラインでその後の進捗がどうなったか聞いてみた。時差があるというのに、しばらくすると返事が返ってきた。「現場工事は完了し、今週木曜日に帰国の途に就く」との返事。良かった、良かった。

 

古い写真の整理法

 ブログの記事にしようと思い、海底ケーブル工事の写真がないか探してみた。結果は無かった。が、しかしだ。お陰で、整理されていない写真をたくさん見ることになった。写真を見るのもいいが、整理しておかないと、どこに何があるか分からないと気付いた。そこで、スキャンして整理してはどうかと思いつき、早速やってみた。元の写真にょりは多少ボケるものの見られないことはない。時間があるとき、何百枚もある写真をジャンル別に分けて整理してみよう、という気になった。

 

電力海底ケーブル工事

 さて、海底ケーブルの話である。近くに、通信海底ケーブルの中継局の建物ができる関係から、時々、海底ケーブルについて質問を受ける。手持ちの写真がないことから、ネットでそれらしい電力海底ケーブルの工事の写真を探し出した。

電力海底ケーブル工事(左:陸揚げ作業 右:コイルどり作業)

 一口に、電力海底ケーブルと言っても、電圧も違ければ、敷設長も違う。下は,600Vから上は500KVまである。長さも数百m位から数十kmまでと幅も広い。一般的な海底ケーブルと言えば、島間を結ぶ数km程度の低圧海底ケーブルが相場だが、国間などや日本で言えば、四国と紀伊半島を結ぶ海底ケーブル、本州と北海道を結ぶ海底ケーブルなどは、私が現役時代は有名だった。

 

海底ケーブル工事の難しさ

 海底ケーブル工事と言えば、一般的に船に載っているケーブルを海底に敷設してゆく、上記写真で言えば右側の二つが有名だが、何十kmのケーブル敷設でも一番神経を使うのが、左側の到着地点での陸揚げ作業である。

 始発点での陸揚げ作業は、長いケーブルの上口から出せばよいので比較的簡単だが、終点の陸揚げは、ケーブルの下口側を出す都合上、残りのケーブルを全部海上に出し、下口が出たら、それを引っ張って陸揚げするという作業になる。

 

最も気を遣う ”キンク(kink)現象”

 そこで、気を遣うのが ”キンク”という現象である。ケーブルというのは、中心に銅線の集合体があるが、この銅線が撚ってある。つまり撚り線になっている。従って、元々放っておけば、捻じれる性質を持つのである。つまり、ある程度の力で、常に引っ張っておかないと、一人でに捻じれてしまうのである。つまり、この捻じれ防止が難しい。

 世の中でも、男女関係でも、複雑に絡み合うのは解くのが難しい。ケーブルの場合は、キンクしたら終わりになるのだ。話し合いは通用しない。他にも色々な注意点はあるが、ともかくケーブル工事の中でも面白いのが海底ケーブル工事だった。

 

お陰で色々な国に行けた!

 この工事のお陰で、北は北海道から南は沖縄まで出張に行かしてもらった。また海外もインドネシアシンガポール・中近東と色々な国へ行く機会に恵まれた。フィリピンもその中の一つだ。定年間際に、工事ではなくケーブル製造会社に5年半ほど滞在し、そこで、400人の従業員を相手に製造会社運営に携わせてもらった。お陰で、ベトナムへの視察にも行くことが出来、会社にはいろいろな意味で大感謝である。

フィリピン現地会社従業員たちと近くの海へ

ついでに、もう15年も前になろうか、従業員400人と近くの海へ日帰り旅行した時の写真を添付する。今となっては、私の写真は誰に撮ってもらったかも定かでない。