ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

補聴器

 補聴器を購入した。当然ながら今まで聞こえていなかった音や声が聞こえるようになった。

 

日本語能力試験

 前にも書いたが、日本語能力試験という日本語を勉強している人の検定試験がある。N5からN1まであり、N1が一番難しい試験である。それぞれの試験に、語彙・文法、読解、聴解という三種類の試験があり、総合点で合格を決める試験である。片言で話せて、日本人の言うことも、何度か説明しているうちに分かる程度は、N3・N4レベルである。N2レベルになると、発音の仕方で外国人と明確に分かるが、日本人の言うことはほぼわかる。ただ、自分の言いたいことが日本人が分かるようには話せないというレベル。N1になると、外国人の名残が発音に残るが、日本人の言うことも分かるし、自分の言いたいことも日本語で伝えられるというレベルになる。

 

補聴器を買うきっかけ

 補聴器を買おうと決めたのは、N2の聴解という試験がきっかけだった。7月と12月にこの試験があるが、その受験勉強の一環として、学習者の方々に聴解の模擬試験を行った。当然その試験に立ち会うが、6月にやった聴解の模擬試験では、問題の言葉が聞き取れたものが、11月にやった模擬試験で、一部聞き取れなくなってきたのである。

 それまでも、テレビなどを見ていて、明らかに音が出ているはずの場面で全く聞こえないということも何回か経験していた。

 

二種類ある補聴器

 補聴器というのは、テレビのCMで宣伝している数万円の補聴器と数十万円する補聴器の大きく分けて二種類がある。前者は、正確には補聴器とは言わないらしい。各人によって音の聞こえ方は色々ある。耳鼻科や補聴器を売っている店(メガネ屋さん)に行くと聴力検査をやってくれるので、どの音域が聞こえないかが明らかになる。

 例えば、低い音域がー2dbのレベル、中音域も-2db、高い音域が-6dbという風に出るのである。正常値は、全て0dbである。つまり、低い音域も中音域もやや聞こえにくいが、高音域になると極端に聞こえないという現象である。

 そこで、前者の安い補聴器だと、全体の音量を上げるので、それぞれ、+4、+4、0というように、一番聞きにくい音域を正常値に合わせる。従って、高音域、中音域は大きくなってうるさくなるという現象が起こる。しかし、数十万円の補聴器は、各音域とも0(正常値)に調整することが出来るのである。人間の耳は、自分に都合の良い音だけを拾うように出来てはいるが、それにも限度があるようで、うるさくて仕方ないという現象が出るようだ。

 

補聴器を購入した。どうなった?

 そして、聴力検査をして、補聴器がメガネやさんに届いた。早速行って購入。色々調整して頂き、先ほど述べた各音域のレベル調整と全体のレベルをどこに合わせるかの調整である。それをつけて家に帰った。確かによく聞こえる。廊下に絨毯らしきものが敷いてあるが、今までスリッパでここを歩く音は全く消えていなかったが、これが聞こえ出した。凄くうるさい。そして、自分の執務机の右上にある時計の針の音が異様に大きく聞こえる。最初、今まで聞こえていなかったので、何の音か分からず音源にたどり着くまでしばしかかった。

 

必要な音量調整

 そこで、全体の音量を2段落下げてもらいに、またメガネ屋さんに行った。帰ってくるとこれで正常な感じがして、現在もこのままである。そして、懸案のN1の聴解試験、模擬試験を聞いてみた。きちんと聞こえるではないか。ひょっとして、自分の認知能力が落ちたのかともと思ったが、そうではなかった。今まで、「やさい屋さんに行って、はくさいを買う」という文章だとすると、「や」と「は」が聞こえなかったりすると、「・・さい屋さんに行って、・・くさいを買う」となる。そこで前後の文章からこのの単語を類推する訳だが、それを考えているうちに、言葉はどんどん進み、文脈として、何を言っているのか分からなくなるという現象である。

 

精神的な副産物は大きい

 耳鳴りは、気にならなくなる、と言っていたが、これはその通りで、なくなる訳ではなく、耳鳴りも聞こえてはいる。でも、「私は耳が遠い」と思いこむ必要がなくなって、聞こえない言葉は堂々と聞き直すことが出来るようになった。そして、いちいち「耳が遠いもんで」と言い訳する必要もなくなった。これだけでも数十万の価値は十分にある。