ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

稲盛 和夫

100年インタビュー

 私が現役の頃、経営者で有名だった人の一人、稲森和夫さんである。

眠れない夜が2,3日前にあった。夜中の1時頃だったか、2014年に放送した再放送をやっていた。聞き漏らしたところもあるので、翌日、NHKプラスで聞き直した。

左・中:100年インタビューの様子(NHK番組から) 右:電車の中の著書ビラ

実に共感できることばかり言うもんだと感心しながら聞いていた。この頃は、こういった考え方が主流であったということだろう。今では古い考え方なのかもしれぬ。ただ、こうした考えで、京セラを立派な企業に育て上げ、KDDIを、そしてJALまでも再建した手腕と実績は、誰にも引けを取らないだろうと思われる。

 その一端を紹介したい。

 

愛と誠実

 JALを再建した時の話である。私もそうだったが、1975年頃から2010年頃まで海外出張をよくやった。海外の色々な航空会社も利用した。当時、一番良い航空会社は、シンガポールエアラインと言われた。若いうちは、言葉の不自由さもあって、JALを利用していたが、稲森さんが感じたように、私も、サービスが良くないと感じたことから、キャセイ航空やマレーシアエアラインなどを多用した。

 つまり、「サービスが良くない」と一口で言うが、食事が拙い、飲み物を持ってくるスピードが遅いなど、物理的なサービスを言っているのではない。「心のサービス」が足りないと感じた。そこで、稲森さんはJAL再建にあたって、「意識を変える」ことを考えたそうだ。

 

フィロソフィ―

 京セラでは、「フィロソフィー」という小さな手帳を社員全員に持たせているという。そして、JALにもその必要性を感じ、稲森さんは社長以下に指示して、JAL独自の「フィリソフィー」を作ってもらったという。つまり、社員として、人として、世の中の一員としての考え方をまとめた手帳である。

 有名大学を出て幹部になった。JALには立派な幹部が一杯そろっていた。その人たちに、フィロソフィーを解くのである。最初は、難しいと思ったようだが、具体的な話になると、「そんな話なんて・・・・」と聞く耳を持たない人たちもいたという。

 

考え方が大事

      人生・仕事の結果 = (考え方)×(熱意)×(能力)

 という理屈である。有名大学を出て、いくら立派なことを言っても、(熱意)がないことには仕事はできないし、相手(同僚・上司・顧客)を納得させられない。

 さらに大事なのは、(考え方)だという。熱意や能力には、0点から100点まであるが、考え方は、-100点から+100点までの幅があるという。negativeなDirtyな考え方では、マイナスになるというのである。

 

盛和塾

 そんな考え方を新会社設立・再建にあたっては貫いたわけだが、そうした考え方を若き経営者を育てる機会にと思い、盛和塾というグループを作ったそうだ。大学には経営学部という学部すらあるが、ここでは、あくまで学問であり、具体的な経営を教えるところではないともいう。

 我々も、設計と現場で同じ葛藤が一杯あった。図面と現場は違うのである。同様にペーパー上のことと実際の経営は違うのである。

 

最後に一言

 「経営者は生真面目であって欲しい」という。社有車が使えるから、交際費が使えるからと天狗になってはいけないともいう。それは重責を担っている代償だとも。

 そして、「大きな成功には大きな犠牲が伴う」と。

 JALの再建に立ち上がったのが、稲森氏78歳の時。私は、まだ74歳。まだまだこれからだ!と気力をもらった。「気力」を「熱意」に変え、「突進力」に変えて行こう!