外国来た中学生、最後の授業
昨日、夏休み期間中だけという約束で、日本語や数学を教えていた、外国人中学生(実際は、この9月から日本の中学校に編入する)の最後の授業だった。
昔もそうだったのだろうがとうに忘れた。数学といえども、文章問題が厄介なのだ。外国の中学校を卒業してきた中学生に、「調理実習」とか「材料費」とかの言葉が出ていて意味が分かるはずもない。この子は、6月に来日したのだ。こうした日本語から教えるのである。カタカナ・ひらがなは書けるし、読める。でも、ふりがなで、「ざいりょうひ」と読め、発音出来ても、何のことだか意味が分からないのである。
その中学生からのプレゼント
その子が、昨日は最後の授業ということで、プレゼントをくれた。本当ならお断りするところだが、ありがたく頂いた。そして、その中に手紙が・・・。
ボランテアをやっていて、これが、最大の喜びである。中学三年生の文章にしては、幼稚と思えるが、あと半年の間に、学校で友達が増え、高校生になる。その頃には、立派な文章も書くようになるだろう。漢字も殆どが読めるようになった。数学の文章問題も、アドバイスを受けながらだが、解けるようにもなった。高校生として頑張れるようになることを、父親のような気持ちで見守りたい。
24時間テレビのランナー、兼近
8月のこの時期、24時間テレビという番組がある。夜通しやる番組で、チャリティ募金集めもやる番組である。そこに、番組の間中、夜を通して走る走者がいる。第一回目は、間寛平だったようだが、今回は、お笑い芸人の「兼近」こと、兼近大樹である。100㎞走破が目標とされた。番組は長いので見なかったが、走ることだけを取り上げた2時間程度の番組を見た。
笑顔が絶えない
過去の走者は、数十キロも走ると、あっちが痛い、こっちが痛い、と苦悶の表情を見せたものだが、今回は、走りながら行き会う人、行き会う人に、手を挙げ愛嬌を振りまく。そのうち、手が挙がらなくなってきた。恐らく、足より先に、手に支障が出るランナーも初めてだろう。それでも、笑顔で挙がらなくなった手を挙げながら走るのである。休憩所では、サポートのメンバーに面白いことを言っては笑わす。
家族を背負う、中卒
小学校までは両親が揃っていたが、中学校に入ると、両親が離婚した。母親や姉・妹と苦しい生活をしていたらしい。将来の夢もあったが、中学校卒業時、高校進学をあきらめ、就職という道を自分自身で選んだ。さすがに母親は苦しくても高校進学を望んだようだったが、家庭を支える道を兼近が選んでくれたことを知っていた。兼近の気持ちを考えると、それでも高校進学をとは言えなかったらしい。
貧乏芸人の典型
そして、色々な職を転々としながら、家庭を支え続けた。そして、同じお笑い芸人、又吉の本を読み、お笑いの道に入ったらしい。そして、今は「りんたろう」と組んでお笑いで人気が出だした芸人である。つまり、貧乏生活をして苦労してなった、芸人の典型のような人である。
考え方が、凄い!
本人が言う。「今まで、世の中の人に散々迷惑をかけてきた。俺の言動・行動で、不幸になった人だっている。そういう人たちに謝りたい、お礼をしたい、という気持ちで、毎日やっている」「俺の笑顔で、一人でも、頑張る気持ちになったらいい」「自分が目立とうとか、裕福になろうとか考えていない。みんなに生かされていると常に思っている」
そして、あちこち痛むはずだ。でも、笑顔を絶やさない。
学歴が問題じゃない
コロナ禍で、政治家・官僚が目立つ時代だ。「俺が、日本を救うんだ。日本は俺でもっている。俺が考えてやらなきゃ、誰が考えるんだ」などと、自分一人で日本を背負って立っているように思っている御仁もいるだろうが、中卒でも、こんな考えの立派な人だっている。学歴が問題ではないのだ。
外国から来て、日本の中学校に編入した子も、何時か立派になって、日本の社会を背負うか、母国を背負うか分からないが、活躍することを期待したいものだ。