ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

世界おもしろ昔のはなし(70)

 このシリーズ「世界おもしろ昔のはなし」も、70回になった。何か記念すべき内容を書こうと思ったが、フィリピンで強く印象に残った事例の一つを紹介する。

 

エンターテインメント

 今まで、マッサージやカラオケについて書いてきた。フィリピン人は、エンターテインメントが得意である。このブログでも紹介したと思うが、会社の忘年会では、こうした才能を発揮する。社員旅行(遠足)でも同様だった。素人でも、日本人のようにモジモジするようなことがまずない。普段おとなしそうな若い子たちが、そういった場面に遭遇すると、かってのDNAが燃え出すのである。

 素人で、こうだから、プロや準プロは推して知るべしである。そのような場所はたくさん存在する。ただ見るだけで満足するという世界である。おじさんには格好の場所だ。

 

女性蔑視なんのその

 カラオケのホステスにいろいろな思い出がある。孫のような娘たちである。フィリピンに限らず、タイでもそういった場所はあるが、女性が製品化されているというか、値定めをされるようなケースが一杯ある。日本のように、女性蔑視と批判を浴びるのではなく、そうした女性も楽しんでいる風情があるのだ。会社の遠足でもすぐ始まる女性の水着ショー。素人の社員が水着で男性社員の前に体をさらすのである。見ているだけでも恥ずかしくなる日本人。こうした風土であるから、カラオケだって同様である。そして相手はプロなのだ。

 カラオケ店に入れば、女性が水着とはいかないまでもスケスケのドレスを着て、通路の両側に並び、来店したお客に媚を売る。最初は、日本人だって、ドギマギするするものだ。そして、更に、好きな女性を選べ、というのである。ここまで来ると普通の日本人男性は、心臓、ドッカン、ドッカンである。でも、2,3回経験すると普通になるから不思議だ。

 

ゴーゴバー

 そうしたカラオケ店のホステスたちである。ホステスの女の子たちの家を何度も訪問させてもらった。お陰で、フィリピンの家庭について色々知ることも出来た。そんな中に一人のホステスがいた。

 彼女があるとき、ゴーゴーバーに連れて行って欲しいと言う。外国人である私が知っているのに、フィリピン人の彼女が知らないのだ。理由を聞いてみると、どんな場所か知りたいと言う。お客から聞いた情報を確かめたいのか、家族の中の誰かがそういう所で踊り子をしているのか、言いはしなかったが、何らかの事情があるのだろう。

 そして連れて行った。場所は数件同じような店が並び、マニラの中にもそういった場所が数か所あった。店の扉を開けると、凄い音響である。中にはいると、中央に高い舞台がある。そこで若い女性が水着姿で踊っているのである。その舞台の周りは、テーブル・椅子が置いてあり、鑑賞できるようになってる。スタイル抜群の小ぶりのフィリピンの女の子たちである。ただ鑑賞して帰ってもいいし、飲み物をオーダーしてもいい。鑑賞するだけならタダなのだ。

 

ホステスの目に涙

 しばらく、眺めていた彼女が、帰ろうと言い出した。どうしたのだろう、と思ったら、眼に涙を一杯貯めている。彼女は、フィリピン人である。全てを察したのである。すぐ、その日は帰った。あとで、理由を聞くと、舞台上で踊っている彼女たちを見ていて、彼女たちを惨めに感じた、そうである。好きで躍っている子たちもいるだろうが、殆どは、やむなく体をさらし躍っている。そこまでしないと家族を養えない、彼女たちをである。

 この手の話は一杯ある。そうした事情を逆手に、稼ぐ輩もいる。一方で、地道に働いて稼ぐ人たちもいる。金持ちと貧乏の格差が招く悲哀なのだ。彼女のような純粋な女性ばかりでないことだけは確かである。ちなみに彼女のお姉さんも同じカラオケ店で働いていた。

 日本に生まれて、本当に良かった。

     (つづく、・・・)