ミドさんのブログ

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フィリピンの魅力(29.フィリピン人の生活)

 フィリピン人が、フィリピンの日系企業で働くと、どのくらいの給料が貰えるんだろうか、と思いを巡らす日本人も多いと思う。もう既に、フィリピンの企業を離れてから10年以上経つので、正しい数値かどうか分からないが、おおよその当時の様子を書いてみたい。

 

異国での日本人の生活

 大体、物価の違いと同じ位になるはずである。でも、日本人の生活費とはちょっと異なる。理由は簡単。日本人の生活は、何をするにしてもグレードが上がるので致し方ない。例えば、食事である。日本人は、どうしても、日本食堂や外国のレストランに入りたがる。従って、日本で言えば、毎日、外食をしているようなものなので、生活費はかさむことになる。しかし、それを、フィリピン人が食べるものと同じものを食べていれば、当然ながら、フィリピン人並みの生活費にはなるが、普通の日本人は我慢できないだろう。

 

フィリピン人の給与

 さて、従業員の給料である。大まかに、作業者が1万ペソ、管理職が2万ペソと考えればよい。ペソは日本円に直すと、当時は、1万ペソは約2万円だった。課長になれば、2万ペソから3万ペソ位だった。つまり、5、6万円位だったのである。日本の1/10位だろうか。そして、作る製品は、日本と同じ金額の価値があるわけだから、利益が上がるということになるのである。

 

フィリピンでの日本人の生活レベル

 日本人の生活はどうか。日本に家、家族を持つ人間は、フィリピンで生活をしても、高い住宅に住み、高い食事を食べ、生活費はそれなりにかかるので、日本にいるより安くなるということは余りない。ただ、ゴルフなどの遊ぶお金は、その国の物価に左右されるので、安く上がることは間違いない。ただ、フィリピンに家やフィリピン人の家族を持っている人たちは、フィリピン人と同じ給与で働くわけだから、そんなに優雅にという訳にはいかない。フィリピン人女性と結婚し、フィリピンで働き、生計を立てている人たちは、水商売の経営をするといった仕事に流れる人が多かった。

 

老後、フィリピンで生活

 当時、現地で生活している日本人で多かったのは、日本である程度お金を貯め、フィリピンにわたり、その貯蓄で生活しているいる人である。フィリピン人と同じ生活をすれば、物価が1/5であれば、日本にいるより、5倍長く生活できることになる。同じ老後の生活でも、5倍贅沢な暮らしができる計算になり、当時は、老後生活するなら、タイかフィリピンかと言われたものである。フィリピンにいた日本人は、英語が通じることから、老後はフィリピンで生活したいという人が多かったようである。

 

フィリピン人の生活1

 話を、フィリピン人に戻そう。いくら物価が安いと言っても、家を買ったり、土地を買ったりするには、作業者のこうした毎日の給与だけでは無理なのである。そこで、海外に出稼ぎに行くのである。海外に行けば、殆ど生活費がかからないような生活をして、殆どの給与を貯め込む。そして、1年や2年働いて、家を建てる程度のお金を持って、帰国し、自分の家を建てるのである。あとは、普通に企業に就職し、毎日の生活費を稼いで生活するというパターンが圧倒的に多かった。

 

フィリピンでの生活2

 管理職ともなれば、切り詰めれば、家くらいは建てられる資金は貯められる。しかし、ここで問題なのは、フィリピン人の国民性である。毎日を楽しく過ごせばいいという、楽天的な考え方が、貯蓄を邪魔するのである。地味な性格ならそれも可能だが、なかなかそういう人物にあったことがない。ほとんどの管理職は、若いころ、海外で一旗揚げて帰ってきた来た人たちだった。家さえ建ってしまえば、あとは、どうにでもなる世界である。贅沢なことさえ言わなければ、である。

 

ファーストフード店が贅沢?

 ファーストフード店がフィリピンには一杯あった。セブンイレブンマクドナルドなど、日本にあるようなファーストフード店。それに、フードコートがそこら中に存在するのだ。日本では食事するところはレストランであるが、フィリピン人が休みに家族と食事に行くところは、こうしたお店である。日本人のように、ありあわせの食事、間に合わせ的に食べる食事ではないのである。そういった意味で、日本人は贅沢になったと思う。昔、私たちが子供の頃は、月に一回レストランに行けたらよい方だった。ところが、今では、あっちのレストラン、こっちの食堂、居酒屋と行くのである。贅沢を言い出したらきりがない。

    (つづく、・・・)