ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

故郷を想うこころ

火野正平の番組

  番組のタイトルは分からないが、NHKBS放送の番組だったかと思う。火野正平が、日本各地を自転車で回る番組である。これで分かる人は、この番組を視ているんだろう。私は、定期的に見ているんではなく、たまたまチャンネルを回す(今は、ボタンを押すと)と、映っていた番組だった。どうも九州各地を回っているらしい。

 

熊本県、康平寺を訪れる

 熊本県にある康平寺というお寺だった。あとでネットで調べてみると、平安時代からの由緒あるお寺だそうである。山鹿市のその地で育った80歳の方が、是非、自分の故郷を訪問して欲しいと手紙を出し、火野正平がそこを訪れたという訳だ。私が感動したのは、その手紙は、亡くなる前に書き、パソコンに残っていたものを、遺族が発見し、火野正平に送ったことである。そして、そこを訪れることになった、という経緯がある。恐らくこの80歳の方も、良い番組だと思いながら、毎週視ていたのだろう。

 

康平寺の場所

 山鹿市のこの地は、熊本県から北へ20km位のところに位置し、西南戦争で有名な田原坂に近いところでもある。有明海に面する市は、熊本市玉名市大牟田市と続くが、玉名市の内陸側、東側に位置するのが山鹿市である。写真で見ると、この康平寺は、銀杏の木がたくさんあり、新緑・紅葉時期はいかに綺麗だったかよく分かる。この80歳の方も、この綺麗な境内で子どもの頃、遊んだ思い出があったのだろうと容易に推察できた。

 

80歳でパソコンに手紙が

 そして、何よりもビックリだったのは、80歳にしてパソコンに手紙文を書き残していた点である。私より7,8歳年長だということは、昭和16,7年生まれの方だろうと思われる。この年代の方が手紙をパソコンで認めるというのは、なかなかいないと思う。私の周りの同じ年代の人たちでさえ、パソコンで文章を打つ人は、半分程度しかいないだろうと思われる。康平寺の綺麗な銀杏の紅葉に魅せられはしたが、80歳の方が、パソコンに向かって、何とか、火野正平に現地を訪問してもらいたいという、故郷を想う一途さに本当にマイッタ。

 

鹿児島県桜島にも思い出の場所が

 そして、何日か経った。たまたま、視るとはなしに視ると、また、正平が出ているではないか。今度は鹿児島県だった。鹿児島県桜島赤水町にある赤水展望広場の「叫びの像」の前だった。この地は、長渕剛がオールナイトコンサートを開催した場所だという。2004年にそのコンサートが開催された広場だったが、そこを整備して、「叫びの像」を建設したということである。一度見たら忘れない刺激的なモニュメントとなっている。

 

思い出の場所の行方

 人には、思い出の場所というものがある。しかし、幸いにもその場所が残っていればよい。しかし、殆どの場所は、昔の面影がなく変化してしまう。あとにあげた、桜島の場所は、手紙を火野正平に送った人は、「叫びの像」が出来る前であったのだろうと思われる。多分、長渕剛のファンで、その広場へ火野正平が訪れることで、長渕剛が夜を徹して、コンサートをやった当時を思い出そうとしたのかもしれない。

 我々の近くにも、色々な思い出の場所が無くなっていく。開発行為や防災対策など色々仕方ないこともあろう。でも、人口が少なっていく世の中である。せめて、昔の思い出の地を出来るだけ保存し残すようにはできないものか、考えてしまう。