ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの魅力(22.「では」の神)

今年は、ハワイが無くなった?

 年末になると、成田空港は海外脱出組で満杯になる。これがコロナ前の空港のお決まりの光景だった。今年は、国際線の空港カウンターが閑散としている様子が、テレビ画面に映し出される。去年も同じようだった。そして、その時、行き先は?と言えば、グアム、ハワイなどの常夏の島である。ハワイでは、観光客のうち、日本人が90%以上を占めるという。なぜ、日本人はそんなにハワイが好きなんだろう? 不思議でもある。常夏の国なんていくらでもあるのにである。この辺のところは、次の機会に掘り下げてみたいと思う。

 

フィリピンの別荘

 ハワイに別荘なぞ持っていたら、日本人なら最高!と思うかもしれない。フィリピンの別荘の話をしようと思う。日本なら北は北海道から南は沖縄まで、というように、気候の差がかなりある。夏は北海道へ行って涼を楽しみ、冬は沖縄で夏の楽しみをする。最高の気分だろう。でも、フィリピンは、殆ど気候が変らないのである。だから、避暑地の別荘なぞない。さて、どこに別荘をと思ったら、街中にあった。街中と言っても、マニラの街中ではなく、少し田舎に入った街中にあるのだ。

 

別荘の貸し出し

 要は、日本で言う別荘とは違い、第二邸宅と言った方がよさそうである。つまり、広い敷地に小さな家を建て、プール付き、バーベキューセット付きで、休日をのんびり過ごす憩いの場所なのである。家のまわりは高い塀で囲まれ、まるでフィリピンの田舎の風景とは全くかけ離れた別世界の雰囲気なのである。

 そして、なんと「、この別荘が1日単位で借りられるのである。オーナーが使用しない時に貸し出しているということなのだ。部屋は3,4室あり、10人程度なら泊れる設備となっており、しかも、借り賃が安いときている。一泊二日で、1万円程度だったと思う。しかし、日本人には安いが、フィリピン人では高い。だから、何かの出来事があった時に、日本人が借りて、フィリピン人と一緒に一泊を楽しむというようなことをよくやった。

 

貸出し別荘での楽しみ方

 誰もいない別荘を10人程度で借り、食べ物をスーパーで買って、庭に設置してあるバーベキュー釜で肉を焼き、野菜を焼いて食べ、お酒を飲み、部屋に入ってカラオケである。そして、その日はそのまま各部屋で寝る。車を運転する必要はないので、お酒も飲める。また、10m四方位のプールもついているので、そこで泳げる。泳いでは肉を食べ、談笑し、という週末の過ごし方である。

 

日本人の週末の過ごし方

 日本人は、こういう過ごし方に慣れていない。高速道路を使って景勝地まで出掛け、山や川などの自然を眺め、その土地の特産品を使った食事を食べ、渋滞にかかって、疲れ果てて家に帰る。これが、日本人の休日の過ごし方である。

 フィリピンでは、日本人を揶揄して「ではの神」と言われる。東南アジアの各国へ行っては、日本は素晴らしい国だ、と言わんばかりに、「日本では・・・・」と枕詞を言いたがる。でも、フィリピンでは、日本はそんなにすごい国ではないのだ。アメリカが一番で日本が二番なのである。フィリピン人は、何でも、まずは、アメリカの真似をする。

 

「効率」が好きな日本人

 こうした休日の過ごし方は、アメリカ風と言えばアメリカ風でもあるような気がする。一方、日本人は、短い時間に効率よく、有名地を回り楽しむ。「体を休めること」ではなく「行ったこと」を優先するのである。だから、「・・・へ行った?」と、行ったかどうかを聞く。どんな楽しみ方をしたかは、それほど問題にならない。「効率」重点思考で、「休養」ということは二の次なのだ。最近の若者は、少し変わってきたように感じるが、この辺で、そろそろ日本人も意識改革が必要かもしれない。

     (つづく、・・・)