ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

ファースト・ステップ・シューズ

お履き初め

 ”お履き初め”の話題だ。初めて子供が生まれた頃は、世の中のルールも、習慣も分からず、”何したらいいんだ?” の連続だったような気がする。世の中の常識に遅れまいと、周りの年寄りに聞いては、何かをしていた。その中の一つに ”お履き初め” もある。つまり、子どもがヨチヨチ歩きを始める頃に最初に履く靴のお祓いの行事である。

 ”履き初め” と辞書を引くと、「新しい靴を履く」と「幼児が初めて靴を履く」の二つの意味が出てくる。学校に履いて行く新しい運動靴を買ってもらった時など、「今日はお履き初めだね」なんていう使い方をした。

 

無形文化遺産(末尾に22件の無形文化遺産

 今日は、なぜこんな書き出しになったかというと、聞きなれない「ファーストステップシューズ」ということばを聞いたからだ。今では一般的なことばらしく、ネットを見るといくらでも記事が出てくる。それは、島根県の石見地方に伝わる世界文化遺産、石州和紙が話題の番組を見たからだった。今、無形文化遺産に日本から登録されているのは、22件になるが、その内、我が茨城県では、二つ記載されている。一つは、日立市に伝わる「日立風流物」であり、結城市に伝わる「結城紬」だ。

 

石州和紙

 本題の石州和紙は、1300年も続く和紙作りの伝統技術だそうだ。和紙は、ご存じの通り、「楮(こうぞ)・みずまた・雁皮(がんぴ)」の植物(木)から作るわけだが、木を煮て、繊維を取り出し、乾燥させて紙にする。その過程で紙漉きの技法があるが、その紙漉きの前の繊維を取り出す過程が違うらしい。木の繊維は何層にもなっているが、他の和紙と違うところは、一部の繊維を残すことで、色合いは少し黒くなるものの強い和紙ができ、これを使うところだそうだ。

 

古代技法の生き残り法

 例にもれず、こういった特別な和紙は高価なことから、売れにくいということもあり、最近、この和紙を使った「ファーストステップシューズ」を作り売り始めたそうである。驚くことに、何と、靴紐、縫い糸に至るまで和紙で作ってある。強い紙だからこそできることである。

左:石州和紙のファーストステップシューズ(靴紐・縫い糸まで和紙製)

 ネットを見ると、手作りのファーストシューズなどもネットで売り出されているらしい。若いお母さん、お父さんが楽しみながら靴を作る時代なのだ。

 

島根県石見地方

 石州和紙の「石州」とは、島根県、石見の国の別称で、灰色に鈍く光り輝く「石州瓦」なども有名である。石見は、飛鳥時代、西暦700年前後の有名な歌人柿本人麻呂の生まれ育った場所としても有名であり、その頃、柿本人麻呂が、紙漉きを人民に教えたという話もあるらしい。

 石州和紙から、無形文化遺産、履き初め、ファーストステップシューズ、柿本人麻呂、飛鳥の時代まで、色々勉強になった。

      (以下、参考まで、22件の 無形文化遺産

日本の文化遺産

文化遺産

登録記載年度(注意書き記載)

能楽

2008年。

人形浄瑠璃文楽

歌舞伎

雅楽

2009年

小地谷縮・越後上布

2009年

石州和紙

2009年。2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」として拡張記載

日立風流物

2009年。2016年に「山・鉾・屋台行事」として拡張記載

京都祇園祭の山鉾行事

2009年。2016年に「山・鉾・屋台行事」として拡張記載

甑島のトシドン

2009年。2018年に「来訪神」として拡張記載

能登のあえのこと

2009年。

早池峰神楽

2009年。

秋保の田植踊

2009年。

チャッキラコ

2009年。

大日堂舞楽

2009年。

題目立

2009年。

アイヌ古式舞踊

2009年。

組踊

2010年。

結城紬

2010年。

壬生の花田植

2011年。

佐陀神能

2011年。

那智の田楽

2012年。

和食

2013年。日本人の伝統的な食文化 正月を例として

山・鉾・屋台行事

2016年。⑦⑧の「日立風流物」「京都祇園祭の山鉾行事」を拡張

来訪神

2018年。⑨の「甑島のトシドン」を仮面・仮装の神々として拡張

伝統建築工匠の技

2020年。木造建築を受け継ぐための伝統技術

計:22件が日本より記載