ジョブズの言葉
"Stay Hungry and Stay Foolish" アップルの創始者、スティーブ・ジョブズのことばだ。「日本に憧れ日本に学ぶ~スティーブ・ジョブズものづくりの原点~」というNHKの番組だった。この番組の冒頭には(多分”冒頭”だと思う)、米国の有名大学の卒業式に招待されたジョブズの姿が映し出され、そこでこの言葉を述べている。
強いて私風に訳せば、「常に貪欲に、そして原点に立ち返れ」という所だろうか。
リーダーの基本思想
私も製造会社に籍を置いた人間である。非常にジョブズの言わんとするところがよく分る。会社が大きくなり先端技術を持つ企業となればなるほど、こうした基本思想が重要になってくる。
冒頭の卒業式はジョブズが亡くなる数ヶ月前に行なわれたモノだったらしい。そして、ジョブズはガンに冒され、数ヶ月後には亡くなった。。
共通するもの作りの心
「抵抗」「夢」「日本」「木版画」「丸み」「旅館」「陶器」など色々な言葉が番組中出てきた。その中でジョブズは、特に日本に興味を持っていたらしい。
友だちの家に飾られた3枚の木版画が好きだったらしい。多分下記の版画がそのうちの2枚。
日本が好きだったこともあり、日本に訪れると陶器の窯元にも足を伸ばし、職人に質問攻めに遭わせたらしい。「この土はどこで採れるのか」「職人はどんなことを考えてこれを制作しているのか」などなど、陶器作りの原点に返った質問が多かったらしい。
シンプル イズ ベスト
そして、”シンプル” を好んだらしい。日本文化は奥は深いが表面上はシンプルである。短歌・俳句などはその最たるモノ。シンプルに表現し、その奥にある心情を伝えるという手法が、ジョブズの心を突き起こしたのだろう。
もの作りも、「より操作・表示はシンプルに、しかし複雑なことが出来る」、そのような製品が好まれる。そうした思想に拘ったのだろう。
あうんの呼吸
会社の基本思想は、企業文化となり、そこに ”あうんの呼吸” が生まれる。
今日の朝刊、若田光一さんの記事。タブレット端末を器用に操る若手飛行士。しかし、そのコミュニケーションには ”あうんの呼吸” はない前提に立つ必要があるという。『こう思っているだろう』と勝手に判断しないことが重要という。
"Stay Foolish" が重要なコミュニケーションの本質ということなのだろうか。