ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

世界おもしろ昔のはなし(85)

 料理に目覚めた、当時60歳間近の単身赴任のおじさんの話である。今でも、刺身だけは、70歳を超えた今でも毎晩食べる。少し多めに買ってきて冷凍することで、毎晩買い物をしなくても食べられる。当時のノウハウが今生きている。当時の話に戻ろう。

 

刺身の買い方

 アジ、イカ、特に、アラに似た魚が美味しく、これは、フィリピンの刺身の定番だった。カニやエビ、特に、チョッと種類は違うのだろうが、伊勢海老のようなエビまで安く手に入った。

 マーケット(Fish Market)で魚を買う場合、外国人レートとフィリピン人レートでは価格が違う。表示なんてものはなく、値段は売り子が言うことから、こんなことが出来る。種類さえ分かったら、日本人が同席せず、ドライバーに買わせれば、1、2割は安く買えた。最初は、そんなこともやったが、段々、フィリピン人が可哀そうに見えてきて、彼らが言う値段で買うようになった。そうはいっても、時々、スポーツ感覚で値切るのも楽しみの一つとしてやったりはしていた。

 

サラダ・スープ

 その内、料理と言っても主食だけでは面白く無くなり、サラダやスープも作った。サラダは、具材さえあれば、フィリピンの場合、外国の美味しいドレッシングが一杯売っており、これらをブレンドしてドレッシングを作れば、美味しいサラダが出来た。

 住んでいたアラバンの町に小さな韓国料理店が2、3件あった。そのうちの一軒が、前菜として、パンプキンスープを出すのだ。これが格段にうまい。どうやって作るのかを本を調べたりして同じ味を出せるように研究した。何度も何度も失敗したが、その都度カボチャを買ってきては試作した。とうとう、出来上がった。スープを作るコツを知っている人なら多分誰でも出来るものだが、何せ、最近料理を作り始めた素人である。それでも、そこそこ、似たようなスープが出来上がった時は、嬉しかったものである。

 

お弁当

 毎日の弁当作りには、苦労もしたが、でも、朝の6時から6時半までのこの時間は、1日の中でも最も楽しいひと時となった。出来るだけ、時間が掛らないように、冷凍食品を買ってくるのではなく、材料から料理や半製品を作り冷凍し、仕上げだけ朝やるようにした。先に述べた、切干大根、ヒジキの他、各種煮物、煮魚、肉料理などなど、朝一手間掛ければできるように工夫した。弁当の大きさ種類もあって、おかずが3種類入るようになっていた2段重ねの弁当箱を買ったので、必ず、3種類の料理を入れた。この弁当を会社で開くと、現地の従業員が珍しがって覗きにきた。時々は、彼らにあげて食べてもらったりもした。彼らにも、経済的にも栄養的にも弁当は良いと言う事を教えた。毎日、昼ご飯に40ペソも50ペソも掛けてキャンテーンの食事を食べるのである。買い食いに慣れている彼らはこれを無駄だとは思わず当然としている。給与が月の手取りで5000ペソもいかない人だっているのに、50ペソも掛けたら昼御飯だけで月1500ペソになってしまうのである。その為、昼ご飯を食べない従業員さえ出てくるのだ。この私の教えから、少しは弁当を持ってくる従業員が増えたのでは、と勝手に思っている。

       (つづく、・・・)