ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

お役所仕事と言われないために

 

中立委員の役目

 農業委員をやっていて、色々な課題があり、中立委員(農業をやっていない農業委員をこう呼ぶ)として、それに対応してきた。そうした中、初めて聞くことも多い。農業をやっていない農業委員の私の役目は、個人情報となっている情報をできるだけ、みんなが知ることのできる情報にすることだと思っている。

 

耕作放棄地を少なくする

 今、耕作放棄地を少なくすることに取り組んでいるが、どの農地が放棄地でどの農地が耕作地になっているのか、つまり、農地はどことどこなのかが、分かっていないのである。勿論、農業委員会や管轄する役所の農林課などへ行けば分かる。

 今は、それを地図に書き込み、誰が見ても分かるように色分けする作業をしている。既に5年前から取り組んでいる。

放棄地、保全地、耕作地に分けた地図

転作補助金とは?

 今朝はこんなことがあった。農地である田んぼに牧草を積み上げており、当然ながらその田んぼは耕作していない。そこで、畜産農家を訪ねて、どことどこが、牧草置き場に借りているのかを聞きに行った。

 すると、借りている田んぼがどことどこかは分かったが、そうした田んぼには、田を耕作していないことで、転作補助金というお金が貰えるということが分かった。その耕作地を、自分で耕作するかしないかは関係なしに、稲を作らないことで転作ということになり、本来、稲作をすれば入る収入が少なくなるからという理屈で、35,000円の補助金が貰えるという。牧草置き場に貸すことで、補助金が貰えるのである。

 

飼料米耕作でもらえる転作補助金

 そこで、別の稲作農家に聞いてみた。すると、稲ではなく飼料米を作ることで、1反あたり、同様に、85,000円の補助金が貰えるという。そして、しかも、この大きくやっている稲作農家が言うには、飼料米が全耕作地の8割以上を占めるという。食料米の値下がりで、1反歩当たり85,000円の収入以下のため、飼料米を作った方が採算に合うということらしい。食料米では赤字経営になってしまうというのである。

 

納得できない農業行政

 何か、政策がおかしくないか、と首をかしげてしまった。本来人間が食べる食料米を作れば赤字になり、動物が食べる飼料米を作れば儲かる。そして、何も作っていない牧草置き場に補助金が出る。私のように農業をしていない人間からすれば、理屈がさっぱり分からない。農業者の利益を考えた政策なのだろうが、本末転倒ではないか、と考え込んでしまった。

 

中間管理機構

 そして、中間管理機構という組織の話になった。最近の田んぼの所有者と耕作者の契約には、中間管理機構というお役所組織が間に入る。つまり田んぼ(農地)所有者は、機構に農地を貸し、機構が耕作者に農地を貸すというやり方に変わってきている。それというのも、機構が出来た経緯は、中間に入った機構が、貸す農地を集め、それを効率よく、田んぼの集約・集積を進めるためである。しかし、これもお題目で終わっており、貸す農業者を決めてから、地権者に借りるという本末転倒をここでもしている。従って、集約・集積がさっぱり進まない。

 

集積・集約しやするには、、、

 地権者と耕作者の間に入るのが目的ではなく、農地の集積・集約をやるのが目的の中間管理機構のはずである。つまり、耕作しやすく、農地を耕作者に集める、同時に、効率よくできるように、農地のある場所を耕作者に振り分ける、といった業務が、本来の中間管理機構の仕事であるはずである。ところが、今は、何もせずに、中間に入っているだけの”中間”管理機構なのである。

 ともかく、文句を言っていても始まらないので、及ばずながら、耕作者がやりやすいように資料作りを進めたいと思っている。