ミドさんのブログ

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なぜ、逃げないのか?

ICT活用による地域防災

 昨日は、「ICT活用による地域防災」にかかわる交流会議に出席した。たまたま防災士の資格を取っていたことで、防災士つながりで、誘いがあり出席したものだった。元々、地域役員をしていた時から、地域防災に興味があり、防災士の資格もその時取ったものだった。

 

情報の発信

 交流会議に先立ち、県から、「災害時の情報発信・収集の取組について」副題「ICTに対する県の取組や推奨アプリなどについての紹介」、茨城大教授が「自然災害における避難とICTに関する考察」の講和があった。

 そして、最後に、それらの講義や話を聞いて、出席者11人が3班に分かれた、ワークショップで、各自が問題点と思うことを出し合った。

 現在、茨城県では、防災情報の一括管理が行われており、下記のようなネットワークの構築が出来ている。

当日配布された資料より、「茨城県防災情報ネットワークの概要」

 そして、県としても、色々な形で情報発信もしている。メール、ライン、ツイッターなどである。 

当日配布された資料より、「多様な手段による災害関連情報の配信」

情報を受け取る側の問題

 しかし、問題は、こうした情報を受け取る側の知識である。少なくても、私の周りの60歳以上の男どもは、「ラインってどうやるの?」から始まり、メールだって手足のように使う人は滅多に見かけない。こういった人たちに、折角発信してくれる情報をいかに届けるかである。

 

なぜ逃げないのか?

 そして、講師の人たちも言っていた。「なぜ、逃げないのか?」である。大きな地震が来た、警報が色々出た、津波が来る、とまで言っている。それなのに、逃げないのだ。人間の心理に迫るしかない。どこかで「私は大丈夫」という心理が働き、更には、あの時は、ここまでしか水は来なかった、という漠然とした安心感が、人間の心理を左右する。東北大心震災から一か月後に起こった津波があった。その時は、あんな被害を受けた東北地方でさえ、ここまでしか来なかったはずだから、ここまで逃げていればよいという心理が働いたそうである。

 

避難しなくても安全神話

 私も、あの大震災では、地震が起き、我が家の門が倒壊した。その時でさえ、近くの人が逃げる様子を見て避難する気になった。そして、近所の人が車の窓から首を出し、「逃げないの!津波が来るから逃げた方が良いよ!」という声で、逃げる気になり逃げだしたのである。

 

東日本で有効だった情報伝達は、古典的な方法

 我が地域でも、平成25年に自主防災組織を立ち上げた。そして、その時の行動について住民に対しアンケートを行った。91%の回答率だった。その時の生データが残っている。その時のデータでも、避難しなかった理由を聞くと、「避難しなくても安全」と考えた人が、回答者の57%を占めた。また、情報の入手方法では、東日本大震災では、「市や消防の街宣車やご近所」という回答が圧倒的に多かった。マスコミとの答えは、地域によっても異なるが、5~7%という程度であった。

 

ICT活用法の周知徹底方法

 とにもかくにも、ICT活用は良いことではある。SNSの時代でもある。60歳過ぎた老人たちも、そのことを知っている。しかし、そんな世の中でも、街宣車とか口伝えという原始的な方法も、まだまだ有効に機能するとも思っている。そんな中で、地域全体にどうやってICTをいきわたらせるかを今後、地域としても考えていきたいと思う。