ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

リスキング

1970年ごろ

 1970年入社の会社員だった。団塊の世代真っ只中の1948年生まれである。この時代、当時のいわゆる優良企業・大企業を望まなければ、就職には困らなかった時代である。勿論、大卒の場合はである。当時は、まだまだ高卒・中卒と言った人たちも会社員の中には沢山いたので、会社内での役職の格差や給与の格差といったものが歴然と残っている時代だった。その為、世の親たちは、子どもを高学歴にするために教育に熱心だったし、我々以降の年代では、そうした教育思考が過熱していった。

 

1990年代以降

 1990年代以降をベースに、また、自分の会社員時代と比較しながらこれから話をしたい。というのも、昨日「危機に立つ中流」というニュースをやっていたからである。そこで、下記のデータを見せつけられた。

中流階層の所得減少

 現在の人たちの「中流の暮らし」に対する感想と、実際の賃金・所得のここ20年の比較が載っていた。

 

中流の暮らし

 中流と感じている人は38%、中流以下が56%であり、その原因は所得にありそうだ。1990年と2020年を比較すると約10%から20%収入が減少している。

 確かに、我々が就職した1970年から最初の20年間は、毎年基本給も上がり、給与が上がった。しかし、現在の30代、40代に聞くと、殆ど給与アップがないのだそうだ。

 個人GDPの推移を2020年までの統計グラフを見てみた。

個人GDP推移

 見事なほど、1990年半ばから日本の成長は止まった。そして、2020年には中国に抜かれ第三位となった。

 

今の中流の人たちの思い

 そして、更に、現在の暮らしについてどう思うか、親世代より豊かになれると思うかどうかをたずねた結果が下記のようだった。 

今後の暮らしについての感想

 ここまでくると、子供世代の現状が可哀そうに見えてきた。親世代と同じ程度にはなれると思う子供世代は、半分ほどしかないのである。

 

今後の行方

 我々時代は、中流の暮らしの理想は、「我が家と自動車を持つこと」だったが、今の世代では、それに「正社員になること」が加わるのだそうだ。

 そして、今後の日本社会の構造変換についても、NHKの他の番組でやっていた。今、この給与低迷を打開するために言われているのが、「リスキング」と「非正規雇用の給与アップ」だそうである。

 

リスキング

 ネットの受け売りだが、2020年1月に開催された世界経済会議(ダボス会議)では「第4次産業革命によって数年で8,000万件の仕事が消える一方、9,700万件の新たな仕事が生まれる」と発表したそうだ。つまり、リスキングの必要性があり、これをしない限り、「会社員が職を失ったり」「企業が潰れたり」「働く人口が減ったり」するということである。その為、政治的な法整備や企業経営者の考え方改革や労働者組合の意識改革なども必要になるし、最も重要なのは、個人一人一人の意識改革である。

 

がんばれ!若者!

 もっとも、企業内で製品開発や技術開発をしてきた人たちにとっては、毎日が、リスキングのようなものだったはずで、会社員として立派にやってきた人たちには、けっして難しいことだとは私は思わない。

 欧州を中心にした国々では、こうしたリスキングが常識になっているようだ。欧州の人たちができることが、日本人の若者に出来ないわけがない。

 ぜひ頑張って欲しい。