ミドさんのブログ

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フィリピンの魅力(31.ドア・トゥ・ドア)

 

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フィリピンの銀行入口(左)、何かあると近づいて(右)(写真:ネットより抜粋)

どこにでもいる銃を持ったガードマン

 フィリピンに行って、ともかく、最初にビックリしたのは、上の写真のように、ショッピングモールと言い、レストランと言い、ホテルと言い、建物の入り口にはガードマンが銃を構えてガードしているのである。しかも、拳銃のような短銃と言われるものではなく、いかにも ”銃” と言うに相応しいものなのだ。アメリカなどへ行けば、当たり前のことなのだろうが、日本では、警官しか持っていないので、これにはビックリしたものである。

 

フィリピンは危ない国か?

 フィリピンは、「危ない国」というイメージが強く、赴任する前から用心して行ったものだ。実は、赴任前10年位前になるだろうか、海底ケーブル工事でフィリピンの田舎にしばらく滞在したことがある。この折、地域間の争いでそこの代表者同士が銃の打ち合いをする場面に出くわしたことがあった。あの乾いた「パン、パン」という銃声の音は耳から離れなかったので、理解はしていたつもりだったが、それでも、マニラのような都会では、あらゆるビルの出入り口に銃を構えたガードマンがいることには、それでも身構えたものである。

 

研ぎ澄まされる嗅覚

 アメリカ本土を除いて、色々な国に行った。そのかいあってか、危険な場所・地域は、一種の嗅覚で察しが付く。従って、フィリピンでも、危ない場所というのは、何となく分かるもので、そこには近づかないようにしていた。

 しかし、自分の住居(コンドミ=マンション)から一歩出れば、そこら中にガードマンはいる、(身構えていないものの)銃を持った住民はいるのである。フィリピンの場合、銃は登録制にはなっているものの、未登録の銃は一杯あると聞いた。

 会社の工場の天井裏から銃の弾丸が出てきたことがあった。理由を聞くと、お祭りの時に空に向かって打った弾が、天井に落ちてきたということだった。それほど、銃は日本のおもちゃの銃より一般化していたのだ。

 

自分に非が無くても襲われる

 赴任当初より、金持ちを狙う不届き者には注意をしたものだった。日本人とみれば、金持ちと思われるのである。また、日本人にとって良かれと思ってしたことが恨みを買い、その対象者の親せきが襲ってくるという日本人銃撃事件も結構あった。親せきや家族思いのフィリピン人がしそうなことでもある。

 そこで、滞在した5年半、常に「銃で狙われないように」は、気を付けていた。まずは、お金の支払いである。日本のように財布からお札を取り出すということはしなかった。その日必要だと思われる金額より少し多めの裸のお札をポケットに忍ばせた。ビルの中に入った時は、雑踏に素早く紛れ込んだ。レストランなどでは、自分の車のドライバーに携帯で連絡し、玄関先まで横づけしてもらい、足早に車に乗り込んだ。車に乗ったら、姿勢を悪くし、窓から姿があまり見えないよう腰をずらして座った。

 大きなお札の両替は、銀行ではレートが悪いので、町の両替商を使ったが、ここでも窓口にいる時間を出来るだけ短くし、用事を済ませたら、すぐ近くの店に入り、後をつけている人間がいないか、チェックした。銀行は特別に裏口からの出入りをさせてもらった。

 

危険を感じる空気感と会話術

 こういった対策をしたせいか、滞在中、危ない目に一度も会わなくて済んだ。こうした危険と言われる国や場所へ行く場合に重要なのは、「空気感」を読めるかどうかである。危ないという「空気感」が感じない人は、こういった国や場所には近づかない方が賢明だ。

 それともう一つ重要な点は、「恨まれない会話術」である。日本にいても、すぐ、ケンカ腰になる御仁もいれば、威張り腐る御仁もいる。「話せば分る」ではないが、話す以前の問題である。フィリピン人は「人思い」である。心優しいのだ。それが裏目に出ると、「逆恨み」や「切れる」現象になる。これは、日本においても同様であるが、相手を思い、それを十分に説明し、理解してもらうという努力が必要なのである。

 これは万国共通である。