ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの魅力(41.スモーキーマウンテン)

ゴミの選別

 フィリピンに赴任して、会社生活で日本と違うと思ったことの一つにゴミの選別がある。逆に、日本に来た外国人に聞くと、日本のごみの選別は大変とビックリするようだ。フィリピンの会社の机の脇にあるゴミ箱(ペール缶状)は一つ。日本で、選別することで慣らされた人間が、逆に、何でもゴム箱に入れる様子を見ていると、何となく悪いことをしている気になってくるから不思議である。また、そうした気持ちも1週間もしないうちに、ジュース缶でも、弁当の入れ物でも、パンの袋でも、何でもごみ箱に捨てる自分がいる。人間は、楽な方に流れるのを常とするのだ。

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スモーキーマウンテン(ゴミの山と位置)

 既に、1995年に閉鎖されたようだが、別の場所が廃棄場所になったらしい。私が赴任したのが2003年だから、閉鎖されて10年近くも経つのに、名前だけは健在だった。

 

スモーキーマウンテン

 新しくできた廃棄場所の同じ運命をたどることになる。ごみは宝の山なのである。日本では、ペットボトル・鉄などと分けられたゴミは、それぞれの業者などに引き取られ売却されるが、フィリピンでは、そのゴミの山から住民がお金になりそうなゴミを選別し、売却して生計を立てている人たちがいるのだ。ネットの記述によると、それが100ペソ、200ペソというお金らしい。

 

ストリートチルドレン

 かって、私たちが子どもの頃、電柱の下で、電工さんが電線を切った銅線屑を集めて古物屋で小遣い稼ぎをしたのと同じ理屈である。ただ、私たちは子供の小遣い稼ぎ、しかし、フィリピンでは生活費であり、50年も前の日本と今のフィリピンである。

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ストリートチルドレン(車に駆け寄る、道路で遊ぶ、売る)

 そして、最初に出会ったのが、車が信号で止まると、駆け寄ってきて、フロントガラスを拭きだす子どもたちである。「何?」と、ドライバーに聞くと、「ストリートチルドレンだ」というので、この子たちをそう呼ぶのかと思っていたら、ネットで見ると、学校にも行かず(行けず)、昼間から道路で遊ぶ子供たちを指すようである。

 日本のように、小さいうちから保育園だ、幼稚園だ、小学校だ、塾だと教育に明け暮れる社会とは大違いのお国柄である。小さな子供が、手も届かぬフロントガラスを拭き、手を出してお金を要求する姿に、本当に涙がこぼれた。

 

幸せな国、日本

 このように、スモーキーマウンテンにしろストリートチルドレンにしろ、貧困が激しければ、こういった実情は、世界中どこにでもある。だから、家族のつながりが強く、家族思い、親戚思いの人たちになる。日本の教育も、幸せな家庭ばかりではなく、こういった世界の現実を正しく知らせ、今の生活がいかに幸せな結果かということを分からせる教育も必要ではないかと思う。

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日本の色々な塾(画像は、ネットより)