ミドさんのブログ

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憧れは止めましょう!

WBCの再現

 一昨日は、なんと言っても ”5チャンネル” のWBCの再放送である。再現に、栗山監督と二人のゲストが立ち会い、色々なコメントを加える。なるほど、、、と納得しながらテレビに釘付けの3時間だった。再放送というのに、”次はどうなる? まさか打たれるのでは?” などと、ある訳がない幻想が、頭をよぎるから不思議だ。

 このゲームやシーンは、今後の語り草になるに違いない。

 

記憶に残る、アメリカ戦決勝

 なんと言っても、予選を全勝で通過し、決勝戦に臨んだ ”侍ジャパン” 戦う地は、アメリカ・マイアミである。そして、決勝の相手は宿敵アメリカ。

 この試合は、2回にアメリカに1点先制され、その裏、すぐに日本が逆転し、2:1とした。そして4回裏には、岡本のホームランで3:1となった。日本側は予定通りの継投を繰り返し、日本の勝ちムードが漂う。前の回から、継投に備え、レフト側ブルペンに移動していた、ダルビッシュと大谷。そして7回裏、2番近藤から大谷、吉田に回る打順。大谷は、ブルペンからゲームに戻る。

試合前、大谷が檄を入れる         トラウトに相対する大谷       

ダルビッシュ、大谷の黄金継投リレー

 そして7回裏。近藤一死の後、大谷。内野ゴロだが、これがヒットに。追加点のチャンスである。しかし、吉田の併殺打でこのチャンスが消える。そして、8回になり、ダルビッシュにピッチャーが変わる。9回は大谷との黄金リレーで日本側の勝利が見えてきた。

 ところがここで、一死後、2人目にホームランを浴び、3:2となってしまう。危なくなってきた日本。何とか、この回はそのまま終わり、期待の8回裏も一人ランナーが出たものの無得点に終わり、いよいよ、アメリカ最後の攻撃、9回表である。

 

9回表、アメリカ最後の回に、大谷登場

 ブルペンから、大谷がマウンドに向かう。キャッチャー中村とマウンド上でヒソヒソ打ち合わせ。そこで、先頭打者に四球を出し、ノーアウトランナー1塁。次々打者は、強打者・同僚のトラウトである。流石、大谷。次打者を併殺打に切ってとり、いよいよ最後の打者になるかもしれないトラウトと相対する。最後の球は、大きく外角に曲がるスライダーだった。トラウトのバットが空を切った。

トラウトに投げた最後のスライダー、空を切るバット   歓喜する侍ジャパンメンバー

WBCで、侍ジャパンが、優勝を決めた一瞬だった。

 

憧れは止めましょう!

 このWBCでは、試合前、色々な選手がメンバーに檄をを飛ばす。この日は、大谷だった。その時、発した言葉が「憧れは止めましょう!」。

 この日の番組に出た栗山監督が言う。サインを書いた沢山の色紙をスタッフが持っていた。それは日本選手のだと思っていたら、なんと、アメリカ、トラウトのサイン色紙。この色紙を侍ジャパンの選手たちにあげたら、みんなが喜んでくれたと言う。

 どうも通訳の水原一平が試合前、トラウトに日本選手の人数分書いて貰ってきた色紙だったという。日本の一流選手といえども、大リーグの一流選手には ”憧れる” らしい。

 

頑張れ!日本!

 憧れるのもいい。しかし、その憧れが畏敬の念に変わってしまったのでは、勝負に勝てない。そんな気持ちが大谷にあり、ミーティングでの「憧れは止めましょう!」になったのだろう。

 日本が高度成長時代もそうだった。外国製品・外国企業に後れを取るまいと、必死に頑張った。外国製品は一種の憧れだった。それを乗り越えてきた日本。これからの日本も、「優れたもの」をリスペクトするのは大いにしたら良い。でも、それに畏れ慄く必要はない。