ミドさんのブログ

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難しい農業行政

農業委員、辞令

  お盆休み前の10日、新しい農業委員、推進委員が農業委員会に出席した。今年はまだコロナの感染が見られると言うことで、任命式など一部の行事は省略され、10日の農業委員会に合せて同時に行なわれた。

農業委員辞令書 と メンバー

 農業委員14名と推進委員10名の24名で、今後3年間、農業委員会を運営することになる。今回は、14人中7人の農業委員が新旧交代した。

 

農地パトロール

 明日は、農業委員として最初の仕事である。地域内耕作地、耕作放棄地などのパトロールに地域担当農業委員、推進委員、更に農業委員会事務局と共に出かけるのである。この仕事は、耕作の有無を全員でチェックする事でオーソライする行事である。年に1回行なわれる。

 

農地管理の問題点

 このパトロールで放棄地と判断された農地は、農地管理から除外されることとなる。ここで問題がある。地目を農地から雑種地や山林、宅地などにすることは、農業委員会では出来ず、所有者自身が登記する必要があり、ここが農地管理の最大の問題点である。農地は税率が低く他の地目に変更したがらないのが現実で、農地でありながら放棄地になり山林状になっているという農地も沢山ある。

 

農地から見る人間模様

 いろいろ調べてゆくと、何代も前の所有者で、相続していない土地というのも結構ある。そういう農地を管理するのも農業委員の仕事だ。農業をする人たちの人間模様が見えてきたりするから面白い。

 代が変われば、農業の管理の仕方も変わる。大農家は別にしても、数反歩を所有する兼業農家などは、会社員をやりながら田んぼをやっていたという人もいて、そういう人たちは70,80を過ぎると自然と田んぼをやらなくなり、荒れ地となっていく。また、相続するにしても娘しかいない家庭では、そうした田んぼは放棄地になっていく例が多い。荒れ地化を防ぐためか、所有田んぼの半分を隔年で耕作するなどといった例もある。

 

増える放棄地

耕作状況を識別した地図

 上の地図は、毎年機会ある毎に現地の状況を調べ、写真に収め、最新化を図っている現況図である。年々、赤い部分(耕作放棄地)が増えてくる。例えば、左図下側のように緑の部分(耕作地)が多いところは、耕地整理をし、反歩毎に区画整理された田んぼである。このような農地は管理もしやすく耕作もしやすいことから、大農家と言われる耕作者が機械で耕作している。一方、右図のように田んぼの形状、大小がまちまちの田んぼは、小さい兼業農家が多く、年々放棄地(赤色)が増えてゆくことになる。

 

新規就農者を阻む課題

 一概に農業行政とは言えないが、耕作者が少なくなっているのも現状である。我々の土地・形状は、山が海に迫り、台地や山間部は段々農地が減り、海岸部へ移行する傾向にある。また、干拓地のようにどこまでも広くと言うわけにはいかず、所々に台地が海まで迫り、平坦地が分断される。そうなってくると、何十町歩を一区画・一地域で確保するのは難しい。そこにも、新規農業者を誘致する難しさが潜んでいる。

 今後の課題は多い。