ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの魅力(44. 地図がない)

 梅の花が一輪咲いたと思ったら、あっという間に10輪にもなった。そうしたら、今日は雨でしかも寒い。今日は、散歩もできないので、書類の整理などして過ごそう。

 

細かな地図がない

 さて、しばらくぶりにフィリピンの話題を提供しよう。4,5日前に、建売住宅の話を書いた。庭もない、塀もない、部屋の間仕切りもない、”ないない尽くし”の家の話だった。”ない”と言えば、今はどうか知らぬが、10年ほど前のマニラには、まともな地図がなかった。幹線道路などを書いた地図や観光地図などはあるが、一軒一軒を書いた住宅地図はおろか、小さな地域内を走る道路さえ書かれていないのである。40年ほど前にシドニーに行った時には、既に住宅地図があり、番地を言えば、家まで行けた。それとは大違いである。

 

地図を読めない

 そして、更にビックリなのは、フィリピン人自体が、地図を読めないのである。これは、鶏と卵で、地図がないので読む訓練が小さい時から出来ず読めなくなったのか、性格的に、細かなことは気にしない性格から、地図なんて読む習慣がなく読めないのかである。フィリピン人に地図を見せ、今どこにいるか、今から行く所を地図で探せというと、大人の人でも殆どの人が示すことができない。マニラから車で1時間も行くと、そこの地図はもうない。探せばきっとどこかににあるはずだが、一般人が買ってみるような地図は、マニラで大きな本屋さんを当たってみたが売っていない。

f:id:midori-chang:20220318092416p:plain

マニラの地図(私が住んでいた、アラバン市の中心部)

(アラバン市の中心部の地図である。左側は、中心部で大きなビルが並ぶ。真ん中の高速道路を挟んで、右側は一般住宅。一般住宅は、建物らしく書かれているが、番地も書かれていないので特定できない。)

f:id:midori-chang:20220318092517p:plain

茨城県水戸市水戸駅前の中心部)

 (一方、水戸市は、住宅のエリアごとに番地まで書かれており、探しやすい。)

 

地図の必要ない国民

 もともと、地図があっても、自分の土地を持っている人は殆どいないのだから、土地の管理も必要ない。フィリピン人はそういったことを気にしない国民なのである。どこそこの杭から何m行った所とどこそこを結んだ線が、私の家の境界線である、などという(彼らにとっては)天文学的なことには全く興味がないのである。こうした思考力は、数学的な幾何学的な思考回路を必要とし、そうした能力を持ち合わせていない人には不得意な分野なのだ。

 

映像?で覚える地図

 彼らはどうやって場所を覚えるか、確かなことは分からないが、恐らく、画像で覚えるのかもしれない。ドライバーに場所を聞くと、どこどこのファーストフードの店を過ぎた所で右に曲がる、というような教え方をする。2階建ての家から暫く行ったところが彼の家だという具合である。ファーストフードの店から10mほど行った所とか、2階建ての家から5分ほど走った所という具合に教える人は、まずいない。数値を使って明確にいうことの習慣がないのである。これは、一般的な外国人に言えることで、日本人が特殊なのかもしれない。

 

人との会話で探す目的地

 ドライバーに分からない場所を言うと、その近くのエリアまで行って、近くを歩いている人に聞く。2,3回聞くと目的地に行き着くということだ。人もたくさん歩いているし、それぞれの人が近所のことをよく知っている人ばかりなのだ。コミュニティとして成り立っているのである。隣に住んでいる人すら良く分からない日本とは、大違いだし、今では、外を歩く人の姿を探すのさえ難しくなっている。

       (つづく、・・・)