ミドさんのブログ

日頃思いつくことを書いてます

フィリピンの魅力(51.少量購入に優しい社会)

NZでも、大量購入で「まける理論」

 昔の話になるが、10年ほど前の話である。

 ニュージーランド(NZ)から国際交流協会関係で2名来日した。たまたま1日その方たちを近隣へ案内する役目が回ってきた。そのうちの一か所である、デスカウントショップへ行った時のこと。貴金属や時計を買ったそのNZ人が日本語に翻訳してくれという。「貴金属を買い、更に時計を2個買うので、トータル金額をまけてくれ」という翻訳である。この時、NZでもたくさん買えばまけてもらえる、安くなる、という社会なのだと気付かされた。

 

言えば、まけてくれる

 日本でも昔はそれが常識だった。私の家は小売店を田舎でやっていた。「これ、10個買ってくれたら、・・・まけるよー」「これ、二つ買うからまけてよ!」などという言葉が飛び交ったものだ。つまり、「言えば、まけてくれる」世の中だった

 

会話の少ない社会での、「まける理論」

 しかし、デパートやスーパーができ、そんな考え方もだいぶ減った。その代り、最初から1本のジュースでは70円のものが30本入った箱買いでは2000円となり、トータルで100円安くなる値段が付いていたりする。つまり、店員と購入者の間に会話がない現在では、最初から、「まける理論」になっている。

 

フィリピンで通用しない、「まける理論」

 ところが、この理論は、フィリピンでは通用しない。小袋がいっぱい入っている特用箱でも、小袋の値段×袋の数で価格が付いているのである。なぜかを考えてみると、特用箱を買うのは、外国人やお金持ち、即ち経済的に余裕のある人たちであり、貧困層は小袋しか買えないという実態がある。何も、お金持ちに特別大量に買うからとサービスしてあげなくても良いのである。

 

「まけない理論」で成り立つ小売店

 小さな部落には畳2畳位の建物に商品を広げて小間物を売っているサリサリストアーというものがある。ここで売っている品物は、たばこ、菓子、洗剤等々、普段家庭でよく使うものが、最小単位で売っている。たばこなら1本ずつ。一箱をバラし一本ずつ売ってくれる。洗剤なら一回分ずつ売ってくれるのである。まとまったお金がない貧困層の家庭や、遠くのスーパーなどに行けない人たちのためにこうしたストアーが部落には一杯建っている。全土で100万軒あると言われている。この商品は、スーパーから買ってきて、その品物を小分けにして多少のマージンを付けて売るのである。そのマージン分が自分の実入りになる。

フィリピンの、サリサリストアー(ネットより抜粋)

 サリサリストアーには、地域の治安の良さによって、鉄格子のある店、ない店に分かれる。ちなみに、私は、このような店で買い物をしたことはない。大量買いになるので、大形店でないと売っていないのである。